こんにちは。
写真と旅をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。
新型コロナウイルスの感染爆発を阻止すべく、ついに日本で緊急事態宣言が発令されました。
先日の小池百合子都知事の会見では「ロックダウン 」という言葉を使い、都民に危機感をアピールしていました。
この言葉を初めて聞いた方も多いと思いますが、海外では3月中旬から実践されている厳しい措置です。
世界で今行われているロックダウン とは何なのか?
緊急事態宣言が発令されたら日本もロックダウン になるのか?
コロナウイルス感染爆発を回避するため、厳しい措置が始まって3週間が経つオーストラリアでは、その効果は大きく数字に現れ始めています。
ロックダウンを成功させるにはどのような事を実践すべきなのか。
シドニー在住の私が実際に実践している、オーストラリアの挑戦に沿ってまとめました。
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Contents
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コロナウイルス感染爆発回避の対処方法「ロックダウン」とは何?
国によって解釈に差がありますし、日本でもはっきりとした定義はありませんが、ロックダウンとは一般的に
「緊急時に置いて一定の期間、内部の人間を守るために公共施設や都市を封鎖し、人の移動や外出を制限・禁止する強硬な措置」
のことを言います。
世界の多くの国々では、3月中旬過ぎから都市封鎖よりも規模を広げた厳しい「国境封鎖」に踏み切っています。
オーストラリアでは、政府は「ロックダウン」という言葉で宣言している訳ではありませんが、事実上措置された行動制限から国民間ではその認識です。
違反したらどうなるの?
定められたルールを違反をした場合、罰金が科せられます。
オーストラリアのシドニーが位置するニューサウスウェールズ州では、
<個人の場合>
罰金最高額は11,000ドル、6か月の懲役、またはその両方の場合もあり。
違反を繰り返す者には、日ごとに5500ドルの追加罰金。
NSW警察は違反者に対してその場で1000ドルの罰金を科す権限を与えられている。
<企業の場合>
最高で$55,000、従わない場合、日ごとに$27,500の追加罰金。
(source: NSW Government / What you can and can't do under the rules)
精神的に窮屈になる罰金制度ですが、実際に罰金を課された人も出てきており、若者たちの不必要な集まりも激減したそうです。
皆がルールを守れば罰則などは不要なのでしょうが、残念な人たちがいるのも現実です。
日本のロックダウン? 緊急事態宣言が発令されたらどうなる?
日本は法治国家のため、海外と同じような厳しい措置を取るには根拠となる法律が不可欠となってきます。
3月14日に施行された「新型コロナウイルス対策特別措置法」では、外出自粛などを「要請」することは出来ても、外出禁止を「強制」することはできないので、もちろん罰金も発生しません。
4月7日に「緊急事態宣言」が発令されましたが、今の法制度ではやはり「強制」はできません。
池上彰氏が解説している記事があるのでこちらもご覧ください。
(出展:文春オンライン)
人が集まるイベント、店舗、劇場、美術館なども自粛要請まで。
民間企業の休業も要請や指導まで。
緊急事態宣言が発令されても、国民の行動を強制する事は出来ません。
ですので、現時点では日本は海外のようなロックダウンは実施不可能だという事です。
その点が海外から「対策が緩すぎる」と指摘される部分でもあるのですが、国の制度が違うので、異なった対策が必要です。
法の縛りがない状態で、全ての人たちにある程度の長い期間自粛してもらうのは困難極まりないと思いますが、現時点では個々の意識に期待するしかありません。
強制する法を持たず、それでも皆が足並み揃えて自主的にコロナウイルス 撲滅に対処できたら、こんなに素晴らしいことはないと思います。
全てはひとりひとりの意識の高さにかかっています。
ワクチンが開発されていない今現在、「社会的距離を確保」する事が、感染爆発を回避するために一番重要で有効な方法です。
「社会的距離を確保」とは、日本で言われている「三密を避ける」ということです。
自衛が重要です。
日本人の底力を見せてください!
改善必要な電車通勤の問題。企業が率先して国民を守って下さい!
NSW州保健大臣は4月5日、感染者数の”伸び率”は減少に向かっているものの、新たな感染者は未だ発生しており、29歳以下の感染者が4分の1を占めていると発表しました。
東京都では、4月4日に初めて1日当たりの感染判明が3桁を超えたと発表しました。
そして、30代の感染者が一番多く、次いで20代・40代。
日本の場合、電車通勤がこの現象の現れなのではないでしょうか。
私の日本の多くの友人は、通勤が恐ろしいと言っています。
皆、危険を認識しているけれども
「テレワーク(在宅勤務)が認められていない」
「テレワークが不可能な仕事だから仕方なく電車通勤を続けている」
とのことでした。
日経ビジネスのインタビュー記事で、現在ニューヨークで新型コロナ感染症の治療に当たっている専門医・斎藤孝医師の言葉「電車通勤はもってのほか」が切実です。
(出展:日経ビジネス・池松由香のNY発直行便)
Yahoo Japan が2020/4/6(月)〜4/16(木)の期間、「緊急事態宣言、あなたの会社はどう対応?」という意識調査をしています。
4月7日、午後5時の時点での結果がこちら。
上記の意識調査によると、まだ半分以上の企業が何も対策を取っていないようです。
緊急事態宣言が発令されても、政府が十分な補償を定めてくれないなら、多くの人々は生活を維持するために、危険と知りながらも通勤電車に乗り仕事に通わなければいけません。
ならば、企業が率先して国民を守ってはくれませんか?
- 大企業の経営陣の皆さん、子会社にもテレワークを促してください。
- 企業の経営者の皆さん、社員とその家族、そしてご本人のためにもテレワークを早急に進めてください。
- 全員のテレワークが無理なら、社員を交代でテレワークにすることはできないですか?
- フレックス制は可能ではありませんか?
- 車通勤を認める事はできませんか?
予算はかかりますが会社が駐車場を借りあげることも考えに入れて頂きたいです。多くの大企業が現在テレワークを始めているのですから、空いている駐車場が沢山あるのではないでしょうか。
セキュリティーの問題もあるかもしれませんが、命を守る事が優先です。 - 民間企業同士が協力しあい、東京という過密大都市を救う方法を探してもらえませんか。
電車通勤者の数が減れば、密度が減ります。
そうすれば、仕事柄どうしても電車通勤しないといけない方たちのリスクが減るはずです。
早急のご検討をお願いします。
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感染爆発回避の効果大!オーストラリア・ロックダウンの挑戦
人口の違いがありますから、感染者の数で比較することは出来ませんが、1日あたりの増え方が、オーストラリアのグラフは顕著に下がってきています。(2020年4月6日のデータ)
全世界トータル
アメリカ
イギリス
オーストラリア
Sources: TheGuardian / Cumulative and daily figures are from Johns Hopkins University.
およそ3週間のロックダウンを経て、世界全体的に新たな感染者発生の勢いは多少衰えはじめているようです。
オーストラリアの場合はかなり顕著にその効果が現れているのが見て取れます。
油断をすれば、すぐに戻ってしまうでしょう。
今週末の4月10日からから、キリスト教圏ではクリスマスよりも重要なイースター(復活祭)が始まります。
通常なら民族大移動のホリデーになるところですが、直前の今日4月7日に、政府は「イースターの旅行を禁止する」と発表しました。
オーストラリアの取り組み
3月13日に国家内閣を立ち上げたオーストラリアは、次々と措置を発表し、状況に合わせて日々内容を強化し続けています。
無料スマホ用アプリ
政府は無料のスマホ用アプリを立ち上げ、日々変わる情報収集を国民に促しています。
The Australian Government has released an official app with the information you need to know about #coronavirus.
Search "Coronavirus Australia" in the Apple App Store and on Google Play.#COVID19 #coronavirusaustralia #coronavirusau pic.twitter.com/0xrEbky1sP
— Australian Government (@ausgov) March 29, 2020
ダウンロードすると、現在の感染者数や、症状を入れると感染しているかどうかをセルフチェックできる機能もあります。
Apple App StoreまたはGoogle Playから無料ダウンロードできます。
現在、私たちが実践しているルール
Australian health officials set up a #coronavirus testing clinic on #Sydney Bondi Beach Wednesday, as concern grew that #COVId19 was spreading among backpackers in the popular tourist destination.#Australia #Bondibeach #lockdownhttps://t.co/xAwQrDWEIW
— peninsulaqatar (@PeninsulaQatar) April 1, 2020
新型コロナウイルス を拡散させないために実践しているルールを一部紹介します。
*医療、生活必需品の買い物、運動・ペットの散歩、通勤、通学以外の外出禁止。
*社会的距離(ソーシャルディスタンス)の徹底。人と人との距離を1.5m以上あけること。
これは非常に徹底されています。
店舗などでは実際にどのような対応をしているかを、写真付きでこちらの記事でまとめましたので参考にしてください。
『オーストラリア・コロナウイルス対策|写真で見るシドニーの状況や店舗の対応』
安心して買い物ができる商店街になってもらうよう、日本の商店街組合に上記の記事を送り、できる範囲での実践をお願いをしているところです。
商店街組合の経営者の皆様、どうぞご協力お願いします!
読者の皆さんも地元の商店街にお願いをしてみるのはいかがでしょうか?
変に思われちゃうから嫌だと思うかもしれませんが、命の為です。
非常事態宣言下で躊躇は不要ではありませんか?
*3人以上の集まりは禁止。
*車は一人で乗車すること。同住所の場合は二人まで同乗可能。(家族は除く)
*結婚式の集まりは5人まで。
*葬式は10人まで。
*イースターの旅行は禁止。
前述したように、イースターはキリスト教圏では重要なイベントで、大きなホリデーです。日本でいうゴールデンウイークに旅行に行くなと言われるのと同じです。オーストラリアでは、ロックダウン効果が出始めているにも関わらず、強硬な措置で国民を守っています。
日本国中に感染を広げないためにも、今年だけはゴールデンウイークの旅行は取りやめ、代わりの楽しみ方を探してみて下さい。
(source: NSW Government / What you can and can't do under the rules)
経済活動には多大な影響
静まり返ったシドニー・オペラハウス周辺
これらの措置を全国民足並み揃えての実行が必須なため、当然ながら経済活動には多大な影響が出ています。
- レストラン、パブなどの飲食店の閉鎖。(ただし持ち帰りや宅配サービスは可能。)
- オーストラリア国民・永住者と家族を除く外国人の入国を禁止。(90%以上のフライトが運休しています)
- 人が集まる事を避けるため、また、人との距離を1.5m以上確保するために、その実行が難しい施設や業種は閉鎖。
屋内スポーツ施設、ジム、プール、映画館、劇場、美術館、図書館、フードコート、スパ、マッサージ店、住宅・不動産オークションなど
このように、飲食業界、旅行業界、不動産業界に到るまで、広い分野に大きな影響が出ています。
(Source: NSW Government Gazette)
素早い決断と先手をとる政府
ルールが厳しくなるも、最低限の生活が守れる補償が出され、先を見越した措置が次々と決定されているため、国民は比較的落ち着いてロックダウン生活を続けることができています。
失業者のための措置の一部
- 条件を満たせば、被雇用者に対し,2週間毎に税引き前で一律1,500豪ドルの雇用維持金を雇用者経由で支払う。
- 家賃未払いを理由とする立ち退きを禁止、家賃の引き上げを凍結。
- 大家が未払いの家賃に利子を課したり、銀行保証や保証金を請求することを禁止。
- チャイルドケア(保育所)の無料化
- 様々な不安の中自宅に籠ることで予想される、家庭内暴力に対するサポートへの予算確保。
- 資格取得のための無料オンラインコースの開始。
コロナウイルスが収束し、経済の復興期を見据え、失業者が次の雇用のチャンスを広げられるよう、4月6日無料のコースを開始する事を発表しました。
TAFE NSW(州立専門学校): コロナウイルス対策 無料オンラインコース
(source: PRIME MINISTER of AUSTRALIA/Media Centre)
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まとめ
日本の緊急事態宣言発令に向け、コロナウイルスによるロックダウンを行なっている世界の今の状況と、感染爆発回避対策の効果が現れているオーストラリアの挑戦についてまとめました。
私の住まいはユーカリが茂る公園に面しており、10種類以上の鳥たちがやってきます。
ロックダウンが始まり、自宅にいる事がほとんどですので、時々バルコニーから外を眺めていますが、鳥たちも木々も、いつも通りで何の変化もありません。
地球全体が恐怖に包まれ、生活を一転させなければいけない状況にあるのに、自然の営みは今までと全く変わりが無いのです。
多くの専門家が警告していますが、経済活動を優先するあまり、森林が伐採され、追い出された生物がヒトの住む地域にウイルスを運び出して感染させている事実があります。
もちろん新型コロナウイルス の感染の始まりはこれだけが原因ではないようですが、何らかの理由で、2019年11月頃に動物からヒトへと飛び移ったウイルス*は、たった数ヶ月で地球を恐怖に陥れました。(Source: ナショナルジオグラフィック)
ヒトが地球との共存の見直しを強いられた、試練の時なのだと感じています。
世界は、日本よりも一歩早くロックダウン という厳しい対応を始めました。
緊急事態宣言が発令されても法治国家の日本が他国と同じ方法を取ることは、法改正しない限り難しいですが、どのように身を守れば良いのか、他国の経験は参考になると思います。
ワクチンが無い今、個々が意識を高め、足並み揃えて、感染を封鎖させることが最優先事項です。
オーストラリアでは、実際にロックダウンの効果が上がってきています。
繰り返しになりますが、民間レベルで予算をかけずに今すぐできる方法、特に店舗での対処法はこちらの記事に紹介しているので是非参考にしてください。
地元の商店街に協力を仰いでください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
読者の皆さま、どうぞくれぐれもご自愛ください。