こんにちは。
写真と旅をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。
2021年11月、初めての個展となる写真展『SOUL CLEANSING TIME』をオーストラリア・シドニーで開催しました。
コロナ規制が残る中での開催でしたが「写真を通してロックダウンの疲れが癒せる空間」を目指したコンセプトを掲げ踏み切りました。
人が来ないのでは?と心配もありましたが、写真展開催経験者の皆さんからアドバイスも頂き、お陰様で多くの方にご来場頂く事ができました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
初めての個展を開きたいと考えている方にも参考になるかと思い、準備から開催までの流れ、コンセプト、写真集や案内ハガキ/DMなどの制作物、宣伝方法などについて、展示作品と共にご紹介します。
Contents
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写真展 『SOUL CLEANSING TIME』のコンセプト
<テーマ>
癒し
<コンセプト>
閉塞感の中での生活を余儀なくされたコロナによるロックダウンの日々。
誰もが自由を奪われストレスが溜まっていった。
写真を通して別世界を旅をすることで、日常から離れ、イマジネーションを膨らませ、魂を浄化し、ストレスをリリースすることはできるのか?
地球の一部を切り取った幻想的な写真に心を寄せる事で、それが可能なのだという体験ができる写真展。
<写真展タイトル>
SOUL CLEANSING TIME
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写真展 『SOUL CLEANSING TIME』 会場の様子と展示作品
この動画は写真展会場の様子です。
ご覧頂いたように、フレーム写真の展示は一般的な壁掛けではなくイーゼルを使用しました。
壁に規則正しく並べる展示方法は作品の品格を引き出してくれますが、イーゼルを使用することで”写真が語りかけてくるような空気感”を表現することができました。
単調にならないよう、マウントボードに施した正方形の写真をインスタ風に展示するコーナーも設けました。
写真展に来るのが初めてという方にも身近な感じで観て頂くことができたようです。
会場のレイアウト
展示作品一覧
日常を忘れ別世界に旅するのがコンセプトなので、幻想的な写真を18点集め展示しました。
インスタ風展示
4枚組を2セット、計8枚を高さを変えて展示しました。
1セット目のテーマは地球の営み・空と水辺、2セット目は地上に生きる花と葉。
イーゼルでの展示
フレームに収めた写真は、A2 x 1、A3 x 9 の計10作品です。
フレームは白い壁と喧嘩せず、写真の映える白を採用。
会場入口から時計回りで朝→昼→夜→明け方までの作品を、自然な時の流れで展示しました。
Aurora-like morning light that appeared only for 5 minutes.
It’s full of energy to prepare the day today.
5分間だけ現れたオーロラの様な朝の光。
今日一日を整えてくれるエネルギーにあふれている。
I felt hope for the future when I saw an airplane
flying into a layer of orange clouds.
オレンジに輝く雲のレイヤーの中へ飛んでいく飛行機の姿に、
未来への希望という想いが浮かんできた。
Fluctuation of water carries healing energy
on a cellular level and awakens your inner peace.
水の揺らぎはあなたを細胞レベルで癒し、
内なる平穏を目覚めさせてくれるのです。
A divine messenger is wrapping the city in a veil.
We are always being warmly watched over by something special.
白い羽を持つ天の使いが、街をベールで包んでいる。
私たちはいつでも何か特別な存在に見守られているんだ。
A shower of full moon light always cleans your mind and body.
It brings you back to calm little by little.
満月の光のシャワーはいつでも心と体を浄化してくれる。
そして少しずつ穏やかさが戻ってくる。
Raijin, it’s a powerful existence that purifies the earth.
It gives you the energy to open new doors.
雷神、それは大地を浄化するパワフルな存在。
新しい扉を開くエネルギーを与えてくれる。
As I extended the time, I could see the light that I didn’t notice.
The accumulation of every moment creates a glorious scene.
It’s like a journey of life.
時間を伸ばしたら、気付いていなかった光の姿が見えてきた。
一瞬一瞬の積み重ねが華を作り出す。
まるで人生の旅のよう。
In the viewfinder, the curve of the Opera House was like a planet.
This scene reminds us that we are part of the universe.
You can fly up right away.
ファインダーの中で、オペラハウスの曲線は惑星のようだった。
このシーンは、私たちが宇宙の一部であることを思い出させてくれる。
今すぐに飛んでいける。
Surrounded by the Milky Way in the sky and
the Milky Way reflected on the surface of the water around me,
I felt the illusion of hovering in the universe.
宙の天の川と足元の水面に映る天の川に包まれ、
宇宙の真ん中を漂っている錯覚を覚えた。
いくつもの条件をクリアしないと現れない奇跡の情景。
The Milky Way and Venus seemed to praise the
existence of the sun, the protagonist of the morning.
This photo is full of energy, night and morning.
天の川と金星は、朝の主役である太陽の存在を讃えているようだった。
この作品には夜と朝のエネルギーが溢れているんだ。
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初めての個展の開き方|準備から開催までを全て公開します!
開催を決意できた理由がありました。
- 個展で展示したい写真や写真集制作用の写真が十分に揃ってきたこと
- SNSで(Facebook, Instagram, Twitter)で、写真投稿を楽しみにしてくださる方が増えてきたと実感できたこと
これらはとても重要ですが時間もかかることなので、実際には個展の準備は何年も前に始めたということになります。
今回の開催にあたり、経験者の方々にアドバイスを受け実践した行程を追ってみます。
- やると決心する。(これさえ有れば、前に進めることがわかりました。)
- コンセプト、テーマ、タイトルの決定。
- 会場をおさえる。
- 写真集制作。
- 展示用写真選定。
- 各展示用写真のタイトル、キャプションの決定。
- 販促物制作。(案内ハガキ、作品リスト、名刺、タイトルカード、プロフィールボード)
- 写真プリント、額装オーダー
会場をおさえたのが6月末でしたので、およそ5ヶ月間で全ての作業をこなし開催に漕ぎ着けたという感じです。
短い準備期間ではありましたが、以前から「こんな個展を開催したい」というハッキリとした構想があったのでブレ無く進められました。
開催期間
2021年11月13日6pm〜8pm、14〜16日11am~7pm 3日半。
13日はオープニングナイトを開催したかったのですが、コロナ規制のため断念。パーティの形にはせず、通常の写真展として開きました。
*仕事帰りの方でも立ち寄って頂けるよう7pmまでオープン。(シドニーでは一般的にこのような会場は4pm・5pmにはクローズします)
*来場者の事を考えると、週末を絡めるのは絶対です。
今回は初めての個展ですし、会場の事情で3日半だけの短い開催期間となりましたが、短期集中することで来場者が途切れる事を避けられ、かえって良かったように思いました。
宣伝方法
開催の1ヶ月前にSNS(Facebook, Instagram, Twitter)で告知をスタート。
開催日までは、写真展に興味を持って頂けるよう、展示する写真と同じ場所や時期に撮った写真を個展案内と合わせた形で投稿を続けました。
開催が始まってからは会場の様子を伝えたく、来場下さった方々と一緒に撮った写真などを合わせた投稿をしていきました。
印刷した案内ハガキも配布しましたが、SNSの方がコミュニケーションが取れるし反応も感じられるので、宣伝には非常に有効だと実感しました。
制作物
案内ハガキ/DM
写真展に興味の無い方でも手に取ってみたくなるデザインにしたかったので、表面はインパクトのある写真をほぼ全面に使用。
オーストラリアでは日本文字はCool!と人気なので、あえて片仮名タイトルも並列させ、500枚印刷しました。
友人に協力してもらったり、写真展会場周辺の店舗などにも置かせて頂きました。
自宅のあるマンションの全戸には手書きのメッセージ付きで配りました。
統一感を出す為、同じデザインをSNSでも宣伝用に使用。
作品リスト
全作品と販売する商品の価格を載せたリストを作り、来場された方に配りました。
展示会終了後に、このリストを持ち帰った方からご注文の連絡を頂く事もありましたので、これを作った事は双方にとって良かったのだと思います。
名刺
名刺は会場に置いたり、お買い上げ頂いたマウントボード写真にも添えました。
タイトルカード(キャプションボード)
来場者が作品に寄り添える様、これは必ず用意した方が良いとアドバイスを受け、作品のタイトル・コメント・撮影地を紹介したカードを作り、各作品に添えました。
言葉の選び方一つで、作品の印象や意図が変わるため、改めてこの作業の重要さと難しさを実感しました。
プロフィールボード
全体の雰囲気と合うように、プロフィールもマウントボードに収めて展示しました。
販売用作品
販売用にご用意させて頂いた作品は以下の通りです。
- 写真集
- マウントボード写真(長方形・正方形)
- フレーム写真(A3・A2 展示品)
写真集『SOUL CLEANSING TIME』
個展と同じタイトル・コンセプトで写真集を作りました。
手にした読者は、宇宙へ舞い上がり、地上に降り、幻想的な世界を旅をしながら癒されていく。そんな写真集です。
写真、レイアウトデザイン、全て自作したこの本は、今の時点での私の集大成となりました。
A4サイズ、40ページ、ハードカバー。
写真集を用意したことで、個展と作品の信頼度が上がったように感じました。
*販売価格 一冊60ドル
マウントボード写真
展示した作品と同じ写真をマウントボードに施して販売しました。
写真のサイズは8x12インチ(A4ほどのサイズ)と8x8インチの2種類。
*販売価格 35ドル
フレーム写真
前章でご紹介したフレーム写真も販売しました。(展示品を含む)
*販売価格
A3サイズ写真+フレーム 180ドル
A2サイズ写真+フレーム 250ドル
フレーミングは専門店にお願いしました。
素朴なネイチャーフォトには不向きかもしれません。
商品販売の決済は "Square" が簡単で早くて安心で低コスト!
Squareとは、非常にシンプルな決済システムのことです。
Squareリーダーとスマホが有れば、どこでも簡単にクレジットカード決済ができるので、写真展のような単発のイベントには最適でした!
しかも安心で確実で早い。
コロナの影響で現金を使用する人が減ってクレジットカード決済が主流となってきており、今回のイベントでも98%がカード決済でした。
無料プランを導入したのですが、かかるのは決済手数料のみ。
振込手数料も無く、翌日か2日後には入金されました。
便利ですね!
展示会で販売したりマーケットに出店される方にはおすすめです。
Square 公式サイト(日本) Square 公式サイト(オーストラリア)
用意したもの
上記以外で用意したものは
- 芳名帳
- 過去に自分が撮った写真を利用して作られた商品(ANAカレンダー、書籍)
もしそのような商品をお持ちなら、言葉以上に来場者へのアピールになるので一緒に展示するのがおすすめ。
来場者とも、そこから話し膨らみましたよ!
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まとめ
いつか写真展を、個展を開きたいと思っていましたが、思うだけでは何も進まない。
やると決心した時から、ようやく事は前へ動き出したのです。
友人たちの後押しや経験者のアドバイスを頼りに、無事開催の運びとなりました。
長いロックダウンが解除されたのは個展開催一ヶ月前。
準備が間に合うのかドキドキしたことを覚えています。
個展の開き方はいろいろあると思いますが、今回の経験が写真展を計画されている方々の参考になればと思い、全てを公開しました。
不勉強な点も多々ありましたが、それを糧に引き続き精進して参ります。
コロナ規制や遠方で来場できなかった皆様から、どんな雰囲気の中でどんな写真が展示されたのか、会場の様子を見たいというご要望もあり、記事にまとめた次第です。
最後までご覧下さりありがとうございました。