旅と写真をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。
地球上で見られる幻想的な光景ナンバーワンは何?と聞かれたら、夜空に揺らめく光のカーテン「オーロラ!」と答える方が圧倒的だと思います。
「オーロラの光のシャワーを浴びる神秘体験をしよう!」ということで、カナダ・ユーコン準州のホワイトホース (Whitehorse) へ行ってきました。
ブレイクアップ(オーロラ爆発)に近い^^ものにも遭遇することができ大満足!
カナダ先住民が多く暮らすユーコンの州都ホワイトホースは温泉や野生動物保護区もあるので日中も飽きることがなく、カナダ人やオーロラ観賞リピーターにも人気のスポットです。
撮影した画像も添えて、オーロラの状態別写真の撮り方・設定、持ち物、極寒時の注意点、おすすめ時期やホテル、現地ツアーやお土産などをご紹介します。
個人旅行でも全く問題ありませんでしたよ。
スマホ携帯でのオーロラの撮り方もお伝えします!
以前、極寒のアラスカでオーロラの撮影をしたことがあるのですが、凍てつく寒さを忘れるほどの光景に感動し、人生観が変わりました。
コロナ禍で学んだように、世の中も人生もいつどうなるかわかりません。
もしオーロラ観賞が死ぬまでにやりたい事リストに入っているなら、どうぞ計画を始めてください!
先に延ばしてはもったいないもったいない!
Contents
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オーロラの光のシャワーを浴びよう!カナダ・ホワイトホースってどんな町?
カナダ人に人気のオーロラ観賞スポットの一つはホワイトホース。
敷地内からオーロラが見られるホテルがいくつもあり、郊外には温泉もあります。
夜だけ現地のオーロラ観賞オプショナルツアーに参加し滞在は便利な街、など色々な旅スタイルがあるのも人気の理由だそう。
現地ツアーは少人数制なので落ち着いて観賞できるのも良い点です。
まずはホワイトホースの町を紹介していきます。
ちなみに前回行ったのはアラスカ・フェアバンクスから60キロほど離れたチェナ・ホットスプリングス 。
フェアバンクスは世界の観測地の中でも晴天率が高く観賞率も高いことから、NASAのオーロラ研究施設があるほど。
ホワイトホースはそのフェアバンクスから1000kmも離れていません。
バンクーバーまでの2500kmよりずっと近い!
ユーコン準州の州都・ホワイトホース。地名の由来は?
ユーコンという地名は先住民のグウィッチン(Gwich'in)部族の言葉「Yu-kun-ah」からきています。
意味は「大河」。
ユーコン川は多くの恵みを運んでくれる川でもありますが、1800年代後期から始まったゴールドラッシュの時代、彼らの行く手を阻んだのもこの川。
水が疾走する早瀬に立つ白波が白い馬のように見えたことから、この地域を「ホワイトホース」と呼ぶようになったそう。
ちなみに、風の強い日は海上にも白波が立ちますが、西洋文化ではそれを「ホワイトホース」と呼びます。
早瀬に暴れる白波も、当時の人たちには白馬に見えたのでしょうね。
Source: MacBride Museum The Canadian Encyclopedia
寒く厳しい土地では一人で生きて行くことは難しい。自然と、横の繋がりを大切に寄り添い守り合う習慣ができたそう。
カラスを探せ!
日本のアイヌ、オーストラリアのアボリジニ、ネイティブアメリカンたちは皆生き物や大地を敬い尊びながら生活してきました。
共通するのは物語を使い生きる知恵を伝承してきたこと。
ユーコンの先住民たちも同様です。
多くのユーコン神話の中で主役となっているのが、創造のシンボルであるレイヴン (Raven)。
カラスよりも大きいワタリガラスです。
レイヴンが山、川など大地の景観を作り、星明かりしかなかった地上に光をもたらしたとされています。
創造者でもある一方、秩序を壊すいたずら者でもあり、善悪、破壊・生産、賢者・愚者など矛盾性を持つ存在「トリックスター」としても知られています。
1985年にユーコン州の州鳥に制定されました。
ホワイトホースで数十年ぶりに新設されたホテルもRaven Innという名前です。
寒さが非常に厳しい土地だという事がうかがえます。
Source: Yukon Government
市内観光
ホワイトホースはユーコン準州の州都ですが、人口3万人の小さな町。
市内観光と行っても、街の中心部は徒歩で歩いて回れる位の大きさです。
お土産屋さんはメインストリート(Main street)に数店舗あります。
マクブライド博物館 MacBride Museum of Yukon History
カナダ先住民の文化・民芸品、ゴールドラッシュ時代、アルカンハイウェイ(ALCANはアラスカとカナダの略)建設、ユーコンの生き物たちについてを紹介している博物館です。
MacBride氏のコレクションからスタートしましたが、現在では地元に住む先住民の方々から寄贈された品々も展示されています。
中には母親の形見を寄贈され、お参りに博物館を訪れる方もいらっしゃるそう。
前述した「レイヴン」のモチーフも多くあり、伝承を守ってきた先住民たちの思いに触れる事ができました。
ガラス細工、吹きガラス体験ができるルメル スタジオ
ルメルスタジオ(Lumel studios) は4人のガラス工芸作家が中心となり2016年にオープンした工房です。
予約が必要ですが、子供から大人までどの世代の方も吹きガラスの体験ができます。
オーロラをテーマにした作品などが展示されており、吹きガラス体験をしなくても作家さん達の作品を見学、また購入することもできます。
マクブライド博物館の一階の天井に飾られているオーロラをイメージしたガラス細工はルメルスタジオで制作されたものです。
隣接するカフェレストランGather Cafe & Taphouseでは、ルメルスタジオで制作された手作りグラスが使用されています。
ちょっと贅沢な気分になれますよね。食事も美味しかった!
エクリプス ノルディックホットスプリングス(旧名:タキーニ温泉)
A newly-rehabbed destination for soaking in geothermal pools, Eclipse Nordic Hot Springs, is due to open in February near Whitehorse.
https://t.co/7dHIRuWJnb— Alaska Public Media News (@AKpublicnews) December 29, 2021
ホワイトホースの街から30km程の場所に温泉があるのです!
タキーニ温泉(Takhini Hot Springs)として親しまれて来ましたが、2022年にリノベーションを終え「エクリプス ホットスプリングス Eclipse Nordic Hot Springs」という名前で生まれ変わりました。
日本の露天風呂と北欧のスパの融合というコンセプトで、サウナやスチームルームなども完備されています。
万が一オーロラが見られなくても「私はカナダへ温泉旅行に来たんだ」と自分を慰める理由ができます。笑
とても楽しみにしていたのですが、私が行った時は残念ながらコロナ規制でクローズでした。
そして、シーズン中は「世界凍った髪の毛コンテスト」やってます。笑
The International Hair Freezing Contest is a sculpted hair competition held at Takhini Hot Springs, Canada. The annual competition involves participants sitting in a hot spring and sculpting their wet hair in cold temperatures. After about a minute, the hair freezes. pic.twitter.com/8TZrekx7hl
— Bobbie☀️ (@bo66ie29) November 1, 2020
ユーコン野生動物保護区 Yukon Wildlife Preserve
ユーコン野生動物保護区は、700エーカー以上の広大な自然環境の中で12種類以上のカナダ北部に生息する珍しい動物たちを観察できる施設です。
ホワイトホースから25kmの場所に位置しており、一年を通じて開園しています。
一回りするのに5kmほどありますが、バス、歩き、スキー、スノーシュー、自転車など、好きなスタイルで散策できます。
オプショナルツアーで参加希望の場合は、後述する現地オペレーターを通してを申し込むことができます。
いざという時便利なショッピングモール
街の中心部から北へ10分ほど歩いたところにQwanlin Mall というショッピングモールがあります。
スーパーマーケット(Independent Grocer)、薬局(Shoppers Drug Mart)、事務用品(Staples)、電化製品、郵便局、酒店等々困った時に助かります。
- 平日は9am〜9pm、週末は10am〜6pmまで営業。
このショッピングモール、私にとって救世主になりました。
実はスノーブーツが劣化しており、冷たい雪道を歩いたらプラスチックが硬くなりパカっと割れちゃってもう大変。
あと数日頑張ってもらわないといけないので、布ガムテを探しにこのショッピングモールへ。
こんな地方の辺鄙な街なのに、しかも夜なのに、ちゃんと購入する事ができました。
本当に助かった。汗^^
ブーツの亀裂は日々増えていき、ホワイトホース最終日の頃には全体が銀色のブーツになってしまったのでした。
お土産
ユーコン準州ならではのお土産は何と言っても珍しい「バーチシロップ(Birch syrup)」。
ほんのり香ばしさと淡い酸味を感じるサラッとした白樺樹液のシロップです。
バンクーバーでは見かけませんでした。
このシロップ、収穫時期によって甘さが違い、Uncle Berwyn's Syrupsの製品は4種類から選ぶ事ができます。
- 大瓶250ml 20ドル
- 小瓶100ml 10ドル (2022年3月現在)
後述するIndependent Grocerというスーパーマーケットなら全種類揃っていてお土産屋さんより安く購入できます。(ただし小瓶はありません)
明るい赤色ボトル | ケベック州のメープルとユーコンのバーチを混ぜたシロップで、4種類の中で一番甘味があります。パンケーキなどのデザートに! |
---|---|
暗い赤色ボトル | シーズン初期に採取されたシロップ。 軽くて甘味があり、パンケーキやアイスクリームなどどんなデザートにも合います。 |
緑色ボトル | シーズン中旬に採取。 初期のものより甘さは抑えめですがより複雑な風味があり、デザートにも料理にも合います。ユーコンの人たちに昔から好まれてきたシロップ。 |
茶色ボトル | シーズン最後に採取。 より複雑で濃厚なシロップで甘さは控えめなので、マリネやドレッシングなど料理に合います。 |
おすすめホテル
街に泊まるなら
<Raven Inn>
Raven Innは、2020年にホワイトホースで数十年ぶりに新設されたピカピカの4つ星ホテルです。
しかもバスタブ付き!
ホワイトホース空港からタクシーで10分かからない便利なロケーションです。
目の前には前述したQwanlin Mallショッピングモールがあり、街の中心部まで徒歩10分。
便利で静かで最高でした。
海外の、特に地方のホテルにはバスタブがない事が多いので日本人にはとても嬉しいホテルです。
屋外には共有で使えるジャグジーもあります。
マットレスも寝やすいしクリーンで申し分ないホテルでした。
レストランRailwork Bar & Loungeが併設されています。
コーヒーに関してはオーストラリアに住む私にはちょっと物足りなかったけれど、料理はとても満足でした。
敷地内からオーロラ観賞したいなら(日本語OK)
<Inn on the lake>
ユーコンの大自然を楽しみながら贅沢な時間が過ごせるホテルです。
予約は日本人経営のガイド会社「ヤムナスカ」で!
2022年はコロナのためInn on the lake利用のプランは運営していませんでした。残念。
湖にも近いし、オーロラの水面反射の撮影が期待できるので、次回はここに宿泊して思う存分オーロラに向かい合いたいと思っています。
<Kaleido Lodge Yukon>
Kaleido Lodge Yukonは日本の旅行会社が運営する6部屋だけの小さなロッジです。
空港からは車で30分。有料で送迎してくれます。
私が予約入れた時は空室の日程が合わず諦めました。
こちらも敷地内からオーロラを見ることができるので、好きなだけ観賞できるそう!
Inn on the lakeよりカジュアルでリーズナブルなロッジです。
おすすめ現地オペレーター
<Northern Tales>(日本人ガイドさんがいます)
旅行代理店HISを通して予約ができ、日本人のガイドの方もいらっしゃいます。
オーロラ観賞サイトの小屋も可愛らしく、暖かい飲み物やスナックを出してくれます。
野外には焚火をしながら待機するエリアもありました。
ツアーは10pm~2pm。一人125ドル(2022年3月現在)
いつ晴れ間が出るかわからないので、どんな天候でもツアーは決行するとのこと。
ツアー料金に含まれている防寒着は以下の通り。
- スノージャケット
- スノーパンツ
- ウィンターブーツ
- 手袋
- ニット帽
予備の三脚もあり、無料で借りることができます。
<Yukon Home and Tour >(日本語不可)
シンガポール出身でカナダに移住されたKhoon Chuaさんがガイドをしてくれます。
アコモデーションが必要な場合、こちらで民泊も可能です。
私たちはRavan Inn に宿泊し、彼にはガイドだけをお願いしました。
少人数のグループなので、その日の天気やオーロラ予報に合わせて出発の時間をずらしたり、フレキシブルに動いてくれる頼もしいガイドさんでした。
こちらも観賞サイトの小屋で暖かい飲み物やスナックの用意があります。
オーロラが出ると、クーンさんが記念撮影をしてくれます。(無料)
ツアーは基本10pm~2pm。一人140ドル。
追加料金一日30ドルで防寒着一式もレンタル可能。(2022年3月現在)
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オーロラの光のシャワーを浴びながら撮影しよう!
山の天気は変わりやすいですし、オーロラはいつ現れるかわかりません。
シャッターチャンスを逃さないよう準備を万全にしておきたいですね。
ベストシーズン、極寒時の撮影注意点などをまとめていきます。
ガイドさんが教えてくれたベストシーズン
一般的に言われているカナダのオーロラ観賞シーズンは10月から4月中旬。
もし、よりアクティブなオーロラとの遭遇に挑戦したいなら、9月下旬または3月がおすすめだそう。
オーロラは太陽の活動に大きく関係しているのですが、その活動が秋分と春分に近い時期に強くなる為です。
春分の日に近い3月のホワイトホース
今回はこの時期に行きました。
3月のホワイトホースは、最低気温が氷点下8度程なので普通のスキーウェアでも問題なく過ごせました。
それでも12月から2月の最低平均気温はおよそ氷点下20度、日によっては氷点下40度近くになることもあるそうです。
この時期に行かれる方は、自分自身&機材のしっかりとした防寒対策が必要です。
以前、12月のアラスカのチェナへオーロラを撮りに行った時は、やはり気温は氷点下35度まで下がり、準備も撮影も大変だったことを覚えています。
レリーズ(有線タイプだった)は一瞬で凍り、一発で壊れました。笑
確実にバナナで釘が打てます。
秋分の日に近い9月下旬のホワイトホース
地元ガイドさんによると、雪景色は見られないけれど湖が凍る前の9月のホワイトホースなら、オーロラが湖に映る幻想的な景色を楽しむことが出来るとのこと。
紅葉も残っているそう!
欲張りな私は、次回行く時は秋分の日に近い9月下旬にしようと心に決めたのでした。
#Aurora from #whitehorse September 21-22, 2018 all night long #Yukon #NorthernLights #yukon #ExploreYukon #auroraborealis #auroramax #yesyukon #G1storm #reflection 昨晩の空は完全に晴れ上がり、#オーロラ も絶好調でした。#ホワイトホース #ユーコン #逆さオーロラ pic.twitter.com/uL1Gm7KzCD
— funny_face_audrey (@audrey19740719) September 22, 2018
新月の日がいい?それとも満月?
星の撮影をするなら、月明かりに邪魔されない新月が最適なのですが、オーロラはどうなのかをガイドさん数名に聞いてみました。
「弱い光のオーロラだと満月の光が多少邪魔することもあるけれど、強い光のオーロラは満月の光など物ともしないから、月齢は気にしなくても大丈夫だ」とのこと。
私が行った時は満月の前後でしたが、しっかりはっきりとオーロラの光や動きまで観賞することができました。
また、満月だと強い光が雪上に作り出す面白い写真なども撮れて楽しいです!
撮影準備・注意点
夢のオーロラ体験、シャッターチャンスを逃さない為どんな準備が必要かまとめます。
- マニュアル設定が可能なカメラ(iPhone11以降のスマホ携帯などでも可能)
- 三脚
- レンズはできれば広角
- 予備のバッテリー
気温が低いとバッテリーの消耗は激しいので、最低2個の予備が欲しいです。 - カメラを保温する物
専用の物もありますが、操作性が犠牲になると聞きました。カメラを包むのに意外と使いやすいのがネックウォーマー。紐がついてるものならレンズ部分に絞って固定できるし、モニター部分は簡単に開けるので設定もしやすいです。
厚手使用か、二重にしてもいいですね。下の写真の様に二枚を斜めがけにすれば保温強化に加え、カメラと三脚設置部分が邪魔にならずに被せられます。
バッテリーの部分に使い捨てカイロを貼りました。
- 指先の無い手袋
防寒用の手袋は分厚く、カメラの設定はできません。かといって素手は寒い。薄手で指先の無い手袋と防寒用の手袋を二重に使うと作業がやりやすいです。 - レリーズは無くてもOK
氷点下数十度だと凍ってしまうし、レリーズが必要なほど長いシャッターは使用しません。長くても15秒位なので、カメラ内で設定できます。(通常30秒まではカメラ内で設定できますが、機種により異なるのでご確認を)
極寒時撮影の注意
カメラ
- とにかくバッテリーを温める
気温が氷点下になるとバッテリーの消費は驚くほど激しいです。特にミラーレスカメラはバッテリー消費が早いので注意が必要。
バッテリーはホカロンのような使い捨てカイロなどと一緒に包んで肌に近いポケットの中で温めておいてください。 - 長時間待機の時はバッテリーを外す
外でカメラをセットした状態でオーロラ待ちの時は、バッテリー消費を避けるため外してポケットに入れて温めておくのが賢明です。極寒の中、使い捨てカイロは力不足なのです。 - 一度室外にセッティングしたカメラは室内に入れない
いったん氷点下の室外に出したカメラは撮影が終わるまで暖かい室内には入れないでください。レンズに結露が起きて撮影ができなくなります。レンズにカビが生える原因にもなります。 - 撮影終了したカメラの結露を防ぐ
結露を避けるには急激な温度変化を避けることが非常に大切。
部屋に入る前にカメラをタオルに包みカメラバッグや袋に入れて、暖房のあたらない室内の気温の低いところに置き、数時間かけてゆっくりならしてください。
自分自身
金属のピアスなどは外す!メガネの鞘にも注意を!
寒い中でじっとしている事の多いオーロラ撮影。
気温0度以下の環境に長時間いると、金属製ピアスやメガネの鞘など肌に触れている金属は凍傷の原因になります。
外すか、メガネの場合は肌に直接触れないよう工夫しておくと安心です。
オーロラの状態に合わせ、設定を変えて撮ってみよう
アラスカで撮影した時の反省を踏まえ、
- オーロラ以外の被写体を入れて距離感、臨場感を出す。
- ゆらゆら感、光のシャワー感を最大限に出す。
を意識して撮影しました。
オーロラレベルにより、設定は臨機応変に変える必要があります。
オーロラレベルって何?
便宜上、カナダではオーロラの光の強さや動きにより、その見え方を5段階にレベル分けしていることが多いです。
レベル1 | 光が弱く薄く、肉眼では認識できないレベル。 |
---|---|
レベル2 | オーロラとは認識できるが、あまり色も発色しておらず動きもない。 |
レベル3 | 肉眼でもオーロラと認識できるが動きはあまりない。アーチ状のオーロラ。 |
レベル4 | はっきりとオーロラと認識できる。色も鮮やかで、ゆらゆら揺れるカーテン状のオーロラ。 |
レベル5& ブレイクアップ (オーロラ爆発) |
光の強いコロナ状のオーロラ。動きも非常に活発で肉眼でもピンク色を見ることができる。
突然、真上の空が裂けて現れ一気に空全体を覆い頭上から降り注ぐコロナ状オーロラ最高レベルがオーロラ爆発(ブレイクアップ)。非常にまれ。 |
このように光の強さや動きが違うので、それに合わせて設定を変えていく必要があります。
目安になる基本設定
アラスカに行った時はフィルムカメラを使っていたので、現像するまでどのように撮れているか全く分からずドキドキでした。
それを考えると、デジタルカメラの場合はその都度チェックできるのが良いですね。
基本になる設定さえ抑えておけば誰でも写真に収めることができます。
- 絞り F2.8(開放値)
- シャッター速度 13秒
- ISO 800
理由と目安は以下の通りです。
絞りを開放値にする | 夜の撮影なので、光を集める必要があります。 使用するレンズで最も明るい数値(開放値)にしてください。 (私のレンズの場合F2.8)。 |
---|---|
シャッター速度は 3.2秒から15秒 |
長すぎるシャッター速度は、オーロラが光の塊になってしまいカーテンの感じが出なくなります。
逆に、短すぎると暗くてオーロラを捉えることができません。 オーロラの光の強さと形は刻一刻と変化します。シャッター速度は次章の「オーロラ形状別設定」を参考にしてください。 |
ISOは800〜2000 | ISOを大きくするとノイズ(ザラザラ感)が出てきます。私はこれがとても嫌い。
透明感のある写真を狙いたいので、できるだけ小さい数値にしました。 ISO400ならより透明感が出てきますが、シャッター速度を長くする必要があるため、オーロラの揺らめく感じが表現しづらいです。 ISO800位からスタートするのが最適だという印象でした。 |
オーロラの形状別カメラ設定
<レベル3・アーチ状のオーロラ>
オーロラは暗く、光を集める必要があるのでシャッター速度を長めに設定します。
アーチ状のオーロラはあまり動きが無いので、光を集めることを優先しました。
- 絞り F2.8(開放値)
- シャッター速度 13秒〜15秒
- ISO 800
光の弱いオーロラなので、それだけだとちょっと寂しい写真になってしまいます。
「針葉樹を主題にした星景のバックをオーロラが引き立てている」的な構図で撮ると寂しさが減ります。
<レベル4・カーテン状のオーロラ>
オーロラの動きが肉眼ではっきり見ることができます。
このカーテンのようなユラっとした感じや、サラサラ動く光を捉えるために、シャッター速度は短めに変えます。
長すぎるとボワーっとした光の塊になってしまうのです。
- 絞り F2.8(開放値)
- シャッター速度 8秒
- ISO 800
<レベル5・コロナ状のオーロラ>
光も動きも非常に活発で、光る生き物が空を舞っているようです。
とても明るくアクティブなオーロラの動きやカーテンの感じを捉えるために、極力シャッター速度を短くしたい。
従ってISOの値を大きくし感度を上げる必要があります。下記の2パターンで録りました。
- 絞り F2.8(開放値)
- シャッター速度 5秒
- ISO 1600
- 絞り F2.8(開放値)
- シャッター速度 3.2秒
- ISO 2000
より美しく撮るために
*マニュアルで撮影
カメラモードもフォーカス(ピント合わせ)も「マニュアル」で撮影します。
*手ブレ防止機能をオフにする
三脚を使う撮影の時は誤作動を避けるため、手ブレ防止機能はオフにしてください。
*2秒後にシャッターが切れる設定にする
そうすることでシャッターを押す時のブレが避けられます。レリーズも不要です。
*ピントの合わせ方
ウユニ塩湖で星空を撮った時の記事にまとめましたのでそちらをご参照ください。
【ウユニ塩湖・写真の撮り方】 |
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スマホ携帯でオーロラを撮ってみよう
iPhone11以降、又はナイトモードでシャッターの長さを調整できるスマホカメラなら、クオリティは落ちますがオーロラを撮影することができます。
- 「写真・PHOTO」を選びます。(写真・左)
- 上に三角の矢印が出てくるのでタップすると下にファンクションが出てきます。(写真・中)
- 左から2番目のナイトモードを選んだら、メモリを一番右のMaxまでスワイプさせます。(写真・右)
あとはシャッターを押すだけでiPhoneが光の強さを検知し、自動的にシャッタースピードを計算して撮影してくれます。
- フラッシュはオフにする。
- ブレないよう、三脚を使用する。
ガイドさんが撮影の知識を持っている事が多いので、相談に乗ってくれると思います。
下は、一緒に行った友人が携帯で撮った写真です。
オーロラの光が強ければこのように携帯でも写ります!
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まとめ
カナダ・ホワイトホースでのオーロラ、いかがでしたか?
撮影してきた画像も楽しんでいただけたら嬉しいです。
4泊から5泊すると、高確率95%の確率で神秘体験ができると言われるカナダのホワイトホース、おすすめです。
もし遭遇できたら、絶対写真に残したいですよね!
基本のカメラ撮影設定は
- 絞り F2.8
- シャッター速度 13秒
- ISO 800
この設定で始めて、オーロラの形状や明るさにより設定を変えて行ってくださいね。
私はオーロラに出会って人生観が変わりました。
この感動を多くの方に体験して欲しいと思っています。
どうぞ皆さんにもチャンスが訪れますように。
最後までお読みくださりありがとうございました。