こんにちは。
写真と旅をこよなく愛するYoriです。
今回は、覚えればすぐにでもプロ並みに上達できちゃう基本の写真構図テクニックを12種類と、その決め方や使い方のコツを紹介します。
もちろんカメラだけでなく、スマホにも応用できるものばかり!
構図を知れば、写真を「記録」から「作品」へ誰でも簡単に変身させられます!
写真を始めた頃に、プロの写真家である叔父に添削をしてもらっていました。
その時はじめて、写真構図を意識することで表現力が大きく変わる事を知りました。
見た人の印象に残る写真にぐっと近づけられるテクニックがあったのです。
グラフィックデザインの仕事を通して学んだ写真の見せ方の知識を織り交ぜながら、プロ並み上達できる写真構図の基本12種類を紹介します。
今までに撮ってきた写真を使い、決め方やコツも合わせてご紹介していきます。
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プロ並みに上達!写真構図の基本テクニック4選
様々な上達法がありますが、構図の基本を知ることはとても大切。
構図を目安に撮っただけでも、すぐに「上達したね!」と言われるような写真に変身します。
しばらくは構図を意識しながら撮ることを優先し、カメラに慣れてから、ちょっと難しい絞り値、シャッタースピード、ISOなどを理解すればいいのではないかと思っています。
その方が、楽しいまま上達できるからです。
撮っているうちに、もっとボカしたいとか、もっとキリッと撮りたいとか思うようになるので、その時に設定を覚えれば頭にも入りやすいですよね。
まず初めに、基本中の基本で、撮りやすい構図を4種類選びました。
どうやって撮ったらいいか悩んだ時は、この4つの基本を思い出してください。
多少ずれても大丈夫。
目安にして、自由に撮ってみてください!
三分割構図
写真を縦横ともに三等分し、交わった部分に主題を置くという、基本中の基本テクニックです。
三分割構図を使うと見た人が安定感やバランスを感じる写真になります。
主題を軸にして、それ以外の部分に広がりを持たせたい場合にも有効です。
線の交わるところに主題を置いてください。
この場合は飛ぶペンギンです。
主題がどちらかに寄ったレイアウトになるので、自然と広い空間が生まれ、見る人は主題から空間へと視線を誘導されストーリーを感じます。
この写真の場合は、空間部分にある巻いた波の勢いが印象深くなりました。
空間を大きく取ることは初めは勇気が入りますが、構図を知っていれば恐れずに主題を脇に寄せることができますね!
ぜひ試してみてください。
グラフィックデザインの世界では、空間の取り方が表現力の良し悪しを決めるポイントの一つだと言われています。
この写真は、前景・中景と空の部分で水平の三分割になっています。
バランスが取れた座りの良い景色になりました。
手前にある前景の遺跡を3分の1よりも大きく取ると、遺跡が主題になってしまいます。
3分の1に収めたことで、主題のワイナピチュ山への奥行きや広がりを引き立てる良い脇役になりました。
山の頂上を真ん中に置くことで、安定感、重量感も出ています。
「作品」に近づける為のポイント
より「作品」に近づけるのなら、どの交る部分に主題を置くかを考える事も大切です。
主題の位置を左下の交点に置いたのには理由があります。
小鳥の視線をブロックさせずに空間を広く持たせるためです。
「キリッとしたイケメンな小鳥だなあ。視線の先に何があるのかな?何を見ているんだろ?」と、見る人にストーリーを感じてもらいやすくなります。
もし、右下の交点に小鳥を置いたら、小鳥の視線がブロックされ窮屈になり、ストーリーが感じにくくなってしまいます。
また、似た写真でも使う構図によって、コンセプト(記録か、作品か等)を変えることができます。
例えばこの写真。
真ん中に主題を置く「日の丸構図」です。
三分割構図とは違いストーリー性はあまり感じられませんが、小鳥の様子が分かりやすい、真面目な「図鑑の挿絵」ような写真になります。
表現したいことがどの構図と合うのか選ぶことも大切です。
対角線構図
主題を対角線上に置く構図です。
奥行き、躍動感、リズム、ダイナミックさを表現できます。
この天の川も水平や垂直に撮ると平凡になってしまうので、カメラを動かし対角線になる位置を探しました。
上の砂丘の写真は、砂山の縁のラインと風紋のラインを交差させ、両方向の対角線上に主題を置いています。
前景・中景と空で、水平の三分割構図も組み合わされています。
こちらは、オーストラリア国花のゴールデンワトルです。
実際は天に向かってまっすぐ伸びていましたが、動きを出したかったので対角線構図になるようカメラを傾けました。
地味な色味ですが、玉ボケと丸い花の水玉模様が溢れているのでリズム感が出て陽気な雰囲気です。
きっちり対角線を取らなくても動きは出てくるので、構図に囚われすぎず、目安にして撮ってみてくださいね。
三角構図
複数の要素を配置する時に三角形の構図を取り入れるとバランス良くまとまります。
三角形の角度、位置、形によっても印象が変わってきます。
上の写真は、大小の三角形がなるべく平行に伸びる位置を背伸びしたりしゃがんだりしながら探し撮りました。
より奥行きと広がりが出たと思います。
この写真のように、底辺を水平にしたピラミッド型だと、安定感、安心感や静の空気感がでてきます。
今度は、三角形を斜めに傾かせた構図です。
写真の中にバランスを保ちながらもリズム感が生まれます。
同じ三角構図でも印象が変わるのがわかります。
三角形の底辺を水平に置くと、安定感のある静的な写真に、傾けた場合は不安定で動きのある写真になります。
撮りやすいのはピラミッド型です。
建物や大きな樹木など、安定感を保ちながら空に伸びていくような迫力ある写真が撮れます。
底辺の水平部分をできるだけ幅広く撮れる場所を見つけてください。木などの場合は、触れるくらい思いっきり被写体に寄ると迫力ある写真が撮れます。
日の丸構図
日の丸構図については三分割構図のパートでも少し述べていますが、主題が真ん中にある、誰もが無意識に撮れている構図です。
ただ、単調で印象に残らない写真になりがちなので、日の丸構図は素人っぽいと言われてしまったりするのです。
コツを掴んでおけば、日の丸構図ならではの楽しい「作品」が撮れます。
見る人の視線を真ん中だけに集中させ、他に視線を動かす必要のない写真だと、主題の魅力が引き出されます。
上の写真は、主題以外の部分をしっかりボケさせているので、見る人の視線は真ん中に集中します。
このようにフレームアウトさせるのも面白いです。
主題が全面にはみ出すように写っているので、見る人の視線は真ん中に集中します。
視線が真ん中に集中するので、真ん中部分のピントをしっかり合わせるのがポイントです。
商品写真とも相性が良いです。
日の丸構図は平坦な空間が無ければ無いほど、主役が引き立ちます。
また、あれもこれも入れると視線が泳いでしまい、主題がどれだかわかりにくくなるので、日の丸構図の時は主役1本攻めが良いと思っています。
背景や周辺をしっかりぼかして主題を強調させたり、インパクトのある主題を選ぶことがコツになってきます。
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プロ並みに上達!写真構図の応用テクニック8選
よりバラエティーに富んだ写真が撮れるよう、応用テクニックを8種類紹介します。
同じ被写体でも、いつもと違う構図を使って撮ってみると新たな魅力が現れたりします。
いろいろ試してみてくださいね。
シンメトリー構図
シンメトリー構図とは、左右または上下対称の構図です。
左右対称のシンメトリーの場合、安定感が出て、見る人に静的な印象を感じさせます。
重厚感や格式といったイメージを表現したい時にも効果的です。
この時に注意したいのが水平線です。
重厚感の出るきっちりとした構図なので、水平が合っていないと見た時の不安定感が倍増してしまいます。
また、中心位置がずれていても左右アンバランスになり逆効果になってしまいます。
カメラによってはグリッド線などのガイドをファインダーに表示できます。水平、垂直がきちんと取れるので利用してみてください。
写真の場合、上下シンメトリーは主に水面反射の写真に使われます。
アルファベット構図(S字、C字)
S字、C字、どちらも曲線を取り入れた構図です。
S字構図
S字構図は、流れるような曲線に主題を置くことで、柔らかさや流れといったイメージを持たせながら奥行きのある写真を撮ることができます。
この長時間露光の写真の撮り方はこちらで説明しています。
C字構図
C字構図は、丸い形の物を撮る時の構図です。
丸い物を真ん中にして撮れば「日の丸構図」。
丸の一部が欠けるようフレームアウトさせると「C」の形になります。
これがC字構図です。
せっかくの丸いものをフレームアウトさせるのはもったいない気がしてしまいますが、逆に主題が欠けていることでより印象的な写真になります。
額縁構図
壁、窓枠、樹木などの副題で主題を囲み、額縁に入ったように見せて引き立たせる構図です。
上の写真は主題がネイチャー物ではなく、ランドマークであるクレーン「重機」なので、しっかりとした黒いフレームでもバランスがとれました。
額縁構図はコントラストのある写真と相性が良いです。
また、額縁の色はダークな色に限ってはいません。
上の写真は、満開の桜の勢いを額縁に見立てており、額縁を主題にしています。
曇り空の春の景色はぼんやりしがちですが、白黒にしてコントラストを強めることで額縁が生きてきます。
サンドイッチ構図
額縁構図と似ているのが、サンドイッチ構図と呼ばれるスタイルです。
左右、または上下に副題となる被写体を置き、主題を挟み込んで強調するので視線を誘導しやすく、また見た人が遠近感や立体感をより感じることが出来ます。
この写真は、手前のボカした2本の木がサンドイッチ効果を出しています。
ただ挟むだけでなく、主題と副題に「差」を持たせると更に効果が引き出せ、印象に残る写真になります。
例えば上の写真の場合、
- 「猿:動的な被写体」と「木の幹:静的な被写体」
- 猿と幹の「色の濃淡」
の差も効果を生んでいます。
2本の木は一見邪魔になりそうですが「しっかりボカす」ことで主題との差が生まれるので、猿が強調され、見る人の視線を迷わせません。
この場合、2本の木がボケていないと、ごちゃごちゃうるさい写真になってしまうので注意が必要です。
差を生む要素は他にも
- 「直線的なもの」と「曲線的なもの」
- 「派手な色」と「地味な色」
- 「明」と「暗」
などが有り、サンドイッチ構図に取り入れると、より主題を魅せる写真を撮ることができます。
消失点構図(放射線構図)
絵画などでは、奥行きを表現するために遠近法が用いられます。
消失点を決め、そこに向かって伸びる直線を基準に、近くの物は大きく、遠くのものは小さく描く手法です。
写真の場合は、実際に平行に伸びている複数の線が奥へと伸び消失点で収束します。
奥行きが強調され、見ている人の視線は自然と収束点へ誘導されます。
同じトンネルですが、消失点の位置で雰囲気が随分変わります。
1枚目は消失点をセンターに置いています。
奥行きはもちろん、威風堂々とした雰囲気が出ています。
2枚目の写真は、消失点構図と三分割構図の組み合わせです。
三分割構図の右下の交点に消失点を置きました。
消失点をずらし、ゴーストのようなボカした人も入っているので、1枚目よりも想像力を掻き立てるような写真になっています。
四分割構図
画面を縦横共に4等分し、その交点に主題を置く構図です。
三分割構図と似た考え方ですが、交点が増えるので自由度が増します。
また、端にくる交点がかなり外側に位置するため、そこに主題を置いた場合、空間をより大きく取ることができるので、広がりある写真にしたい時に効果的です。
主題を端の交点に置く場合は、かなり外側に持ってくる事になるので、慣れるまではちょっと勇気が必要かも。
上の草原のペンギン写真は、左端下の交点に主題を置き、遠くに羊が草をはんでいる姿が見える草原の広がりを感じられるよう、四分割構図を使用しています。
2枚目の写真は、四分割右下部分に副題の天文ドームや木を置き脇を絞め、真ん中の交点に堂々と主役の天の川を置きました。
左半分で星空の広がりを印象付ける事を意図しています。
ちっちゃな流れ星付き!
フィボナッチ螺旋構図(黄金螺旋構図)
映画にもなったダン・ブラウンの大ベストセラー推理小説『ダ・ヴィンチ・コード』を覚えていらっしゃいますか?
謎を解く糸口に使われたのが「フィボナッチ数列」で、本、映画を通しこの言葉が一般的に知られるようになりました。
まず、フィボナッチ数列の前に「黄金比」について触れておきます。
黄金比
黄金比とは、古代ギリシャ時代に生まれ、世の中で最も美しいと言われている比率、1対1.6180339887… (無理数なので無限に続く)の事で、ギリシャ文字のφ(ファイ)で表します。
人が見た時に一番美しく安定して見えるため、パルテノン神殿などの建造物からミロのビーナスなどのアート、最近ではウェブサイトのレイアウト、企業のロゴや製品が黄金比をベースにデザインされています。
フィボナッチ数列
フィボナッチ数列とは、中世イタリアの数学者レオナルド=フィボナッチが、つがいのウサギの増え方を考察中に発見した数例です。
隣り合う数字の比は、桁が大きくなるほど、限りなく黄金比に近づいていきます。
フィボナッチ数列を基準にしてできた螺旋形(Fibonacci Spiral)は自然界の多くの現象に当てはまることでも知られています。
これを解説するために、オウムガイの殻の形、ひまわりの種の並び、葉の配列などが引き合いに出されますが、それらはいずれも「複数のフィボナッチ螺旋」で構成されています。
オウムガイはバランスを崩さない形状で成長し、ひまわりは最高密度で無駄なく多くの種子をつけることができ、植物の芽は増える葉を螺旋状に絶妙なバランスでずらし、全ての葉に日差しや雨を受けられるような構造になっているのだそう。
動植物だけでなく、台風の雲の形、銀河系の渦の形も同様です。
フィボナッチ螺旋構図(黄金螺旋構図)
フィボナッチ螺旋構図とは、フィボナッチ数列を元にして出来た螺旋を使った構図の事で、見た人は心地良い安定感と美しさを感じます。
自然の摂理から生まれたバランスゆえ、人も美を感じるのでしょう。
フィボナッチ数列は、直前の2つの数字を足した数が、次の数になるという数列。
1 1 2 3 5 8 13 21
この最小単位である「1」で正方形を作り、数列のルールに従いサイズを変え並べます。
それぞれの正方形の内角を円弧で結ぶと現れる曲線がオレンジ色で示したフィボナッチ螺旋です。
長方形が取れる部分は、どれも縦と横の比率がおよそ1対1.618。
フィボナッチ数列は限りなく「黄金比」に近い比率なのです。
フィボナッチ螺旋の使いかた
では、どのようにフィボナッチ螺旋を写真に使うのが説明します。
螺旋だけだと写真に載せても意図が伝わりにくいので、明確にするため基準になる正方形も一緒に置いてみました。
この方が面の取り方がわかりやすいかと思います。
フィボナッチ螺旋構図(黄金螺旋構図構図)を使う時は、螺旋の中心部に主題を置くようにします。
上の春の水鳥の写真は、螺旋の中心部に主題である鴨の目を置いています。
正方形(21) の面はカラフルな水紋、残りの面に鴨。
螺旋上ではありませんが、近い部分に小鴨と花びらが収まっています。
水紋と鴨と小鴨がちょうどいいバランスで、座りの良い写真なのがわかります。
こちらの写真は、螺旋の中心に主題の雌しべを置き、螺旋内に形のわかる花びらを収めています。
正方形(21) の面はボケの部分、残りの面がピントを合わせた部分。
主題を見せつつ奥行もあり、面白みのある写真になりました。
主題以外の要素が、螺旋に沿っているのが理想ですが、多少ずれても大丈夫なので、気楽に楽しく使ってみてください。
パルテノン神殿、サグラダ・ファミリア、ミロのヴィーナス、モナリザにも使われているこの比率を、自分の写真にも取り入れられるのです!
それだけでも「魅せる写真」が撮れそうですよね。
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プロ並みに上達!写真の構図テクニック+点景がすごい!
点景(添景)を、今までご紹介してきた構図と合わせて使ってみてください。
絵画の世界で言う「点景」とは、風景画などで全体を引き締めたり、臨場感を出したり、趣を加える為に故意に添えられた人や物のことを指します。
わざわざ描き加える位ですから、点景の効果は小さくても絶大です。
写真でも、人や物を点景として写し込むと、風景の奥行きやライブ感を表現できるので是非使ってみてください。
絵画の場合、パースを維持しながら大きさや位置を考えなければいけませんが、写真は実在している人・物を捉えるだけなので、絵画よりずっと使いやすいテクニックです。
いくつか例をご紹介していきます。
点景の有無で違いを比較してみました。
次の2枚の写真は、同じ写真を点景有りと無しで比較しています。
どのように印象が変わるかご欄ください。
点景のある四分割構図写真です。
波にはしゃぐ子供と、見守る母親の姿の点景が、この風景写真にストーリーを加えてくれています。
次の写真では、フォトショップでちょっとイタズラして、この二人に消えてもらいました。
なんだかとても寂しくないですか?
締まりが無くなり、人がまばらで閑散とした秋のビーチみたいな印象になってしまいました。
点景効果は絶大です。
点景が入る事で、景色の広大さがぐっと伝わるようになりました。
「点」と呼ぶくらいですから、捉える人や物はあくまでも小さく写すのがポイントになってきます。
大き過ぎると、添え物ではなくメインになってしまうので、点景はあくまでも小さく添え、引き立て役で頑張ってもらいます。
置く位置ですが、今まで見てきた構図を意識してみてください。
三分割構図・四分割構図の交点や、黄金螺旋構図などと合わせて使うと、その効果が存分に現れ、引き締まり方がはっきりわかると思います。
人がいい感じの場所に来るまで待つ、という「忍耐力」も、見て面白い写真を引き出す大事なポイントですね!
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まとめ
すぐに写真がプロ並みに上達できる、写真構図の基本テクニックを12種類と、決め方や使い方のコツを紹介しました。
他にも難しい構図やバリエーションがいろいろあります。
本記事で紹介した12種類の構図は、自分の経験を元に選んだ、使いやすくて結果が出しやすいものばかりです。
写真構図のテクニックと言っても、かなりシンプルなものもありますが、実際に意識して使ってみると、同じ被写体でも印象が変わったり、「記録」から「作品」へとプロ並み!に変身するので撮影がもっと楽しくなるはずです。
決め方やコツがわかれば、あとはどんどん撮って感覚を磨くだけ!
構図と合わせて、点景も意識すると効果絶大です!
しかし、囚われすぎると自由な感覚がしぼんでしまうので、自分らしさは残し、あくまでも目安で使ってみてください。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。