こんにちは。
旅と写真をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。
皆既月食とは、太陽・地球・月が一直線に並ぶと起こる現象で、幻想的な赤い月・ブラッドムーンが空に浮かびます。
2021年5月26日の皆既月食は月と地球との距離が近い為、いつもより大きく見られるスーパームーンでもあるので、素晴らしい天体ショーが期待できます!
この珍しい現象は、一眼レフだけでなくコンデジでも撮ることができます。
失敗しない皆既月食の撮影方法や設定をご紹介しますので、是非挑戦してみてください!
追記:今回、シドニーは天気に恵まれ無事鑑賞することができました。
撮影したスーパームーン皆既月食&オペラハウスの作例も合わせてご紹介します。
Contents
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皆既月食の時、なぜ月は赤いブラッドムーンになるの?
皆既月食は、太陽・地球・月が一直線に並ぶと起こる現象です。
月が移動し、地球の影に入っていくと、一部が欠けて見えます。
これが部分月食。
月全体が地球の影に入った時を皆既月食といい、赤い月・ブラッドムーンに変身します。
太陽光は地球の大気圏で屈折して、波長の短い青い光は拡散し、波長の長い赤い光が残ります。
この赤い波長の光の中に月が移動して照らされる為に赤くなります。
参照:国立天文台
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赤い月・皆既月食の撮影方法
いつもの月と違う表情で、幻想的ですよね〜!
設定さえ頭に入れておけば、意外と簡単に撮ることができます。
サンプルの写真はかなり古いのですが、2011年12月にコンデジで撮影したものです。
一眼レフの望遠レンズで撮影したものと比べると透明感・鮮明度は劣りますが、それなりに撮ることができます。
必要なもの
*カメラ
一眼レフ・ミラーレス・コンデジなど、マニュアル設定が出来れば大丈夫。
*望遠レンズ(一眼・ミラーレスの場合)
できれば300mm以上の望遠レンズが理想です。
コンデジの場合は光学ズーム側を使えばノイズも少なく綺麗に撮影できます。
*三脚
これは必須!望遠レンズでの撮影はブレやすいですし、皆既月食中の月はかなり暗いのでシャッター速度を長め設定する必要があるからです。
*レリーズ。無い場合は?
シャッターを押した時の微細な揺れでも写真がブレてしまいますが、リモコンやレリーズが有ればカメラを触ることなくシャッターが切れます。
お持ちでない場合は、カメラ側で「2秒タイマー」をセットしてください。
シャッターを押した後2秒後に撮影されるので、振動を与えずに撮ることができます。
赤い月・皆既月食撮影の設定
*マニュアルモードを使用。
*手振れ防止機能をオフにする。
三脚を使用する場合は誤作動を避ける為、手振れ防止機能をオフにします。
*ピント合わせ
ピントは月が明るいうちに合わせておくと後が楽です。
合わせる時はマニュアルで。
モニターで拡大してピシッと合わせておけば、作品に透明感が出てきます。
*ISOは400
ノイズを極力抑えたいので、ISOは400かそれ以下で。
*F値 (絞り値) は、F8 → F5.6
月のクレーターも綺麗に捉えたいので、F値は月の明るさに合わせて変えていきます。
F8~11は、光学的にレンズの性能を最も引き出せて、特に風景写真が綺麗に撮れる値です。
明るい数値側のF8なら、シャッター速度もF11より短くできるので、動いている月の撮影に向いています。
月の欠け始めから撮影する場合は、F8でスタートです。
皆既月食に近づいてくると、月は暗くなるので、F値をF5.6に下げます。
【設定の目安】
欠け始め(満月状態) | ISO400 | F8 | 1/800秒 |
半分かける(半月状態) | ISO400 | F6.3 | 1/200秒 |
80%かける(三日月状態) | ISO400 | F6.3 | 1/100秒 |
皆既月食(赤い月) | ISO400 | F5.6 | 1秒 |
分かりやすいよう、ISOは400でに統一しています。
大気の状態、月の光の強さ、レンズの明るさの違いなどで結果が違ったりするので、表の数字を目安に調整しながら撮影してみてください。
明るすぎたらシャッター速度を早く、暗すぎたら長くします。
*ホワイトバランス
「太陽光(5200K) 」なら、見ている色の感じで撮れます。
「くもり(6000K) 」で撮影すると月の赤みが強調されます。夕景を撮る時にも夕焼けの赤みが増しよりゴージャスに撮影できます。
皆既月食には合いませんが、「白熱電球(3200K)」を使うと、幻想的な青い月が撮れます。いろいろ遊んでみてください!
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赤い月・皆既月食の作例
2021年5月の皆既月食、シドニーでは雲一つ無い天気に恵まれたので撮影することができました。
上記で説明した設定を使い、一眼レフで撮影した作例です。
カメラ:Canon EOS Mark IV
レンズ:Canon EF100-400mm f/4.5-5.6L IS II USM
三脚:マンフロット Befree アドバンス
400mm望遠レンズで撮っても、遠い月は画面いっぱいには撮れません。
何か他の被写体と組み合わせると、月の存在感が増し大きく見えてきます。
上記の写真はトリミングをしていません。
400mmレンズ使用の場合、このくらいの大きさで撮影できるという目安にしてみてください。
皆既月食の始まり頃(左)からピーク(右)までを並べました。
月が地球の影に入ると、赤くなる様子がわかります。
今回はピーク時でも少しだけ光が残りました。
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次の皆既月食はいつ?
例えば、今回は天気が悪くて撮れなかったなど残念な事がおきた場合は、次に望みをかけましょう。
このリストは2030年までの、日本とオーストラリアから見られる月食のリストです。
さっそく来年にも皆既月食のチャンスがありますね!
2021年11月19日 | 部分月食 |
2022年11月08日 | 皆既月食 |
2025年09月08日 | 皆既月食 |
2026年03月03日 | 皆既月食 |
2028年07月07日 | 部分月食 |
2029年01月01日 | 皆既月食 |
2029年12月21日 | 皆既月食 |
2030年06月16日 | 部分月食 |
出典:国立天文台
まとめ
皆既月食の撮影方法をご紹介してきました。
数年に一度しか起こらない珍しい天体ショーです。
赤い月ブラッドムーンはちょっと怖いような、でもとても幻想的!
撮り方の設定は
- ISO400
- 欠け始め(満月状態)F8 1/800秒
- 半分かける(半月状態)F6.3 1/200秒
- 80%かける(三日月状態)F6.3 1/100秒
- 皆既月食 F5.6 1秒
普通の月撮影でも応用できますので、是非試してみてくださいね!
最後までお読みくださりありがとうございました。