こんにちは。
写真と旅をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。
前半に引き続き、ブロークンヒル近郊のアウトバックな冒険旅行の紹介です。
アウトバックとは、オーストラリアの内陸部の遠隔地のこと。人口密度が低く、低木と乾いた赤い大地がどこまでも広がっています。
ニューサウスウェールズ州の西の果て、ブロークンヒル近郊にも、そのような非日常を満喫できる場所や景色が沢山あります。
マッドマックス2などの映画ロケ地として有名なシルバートン、そして枯れた無数の木が湖面に残る不思議な景色のメニンディー湖へ冒険旅行してきました。
撮影秘話と共に紹介していきます!
Contents
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ブロークンヒル近郊、マッドマックスのロケ地で有名なシルバートンってどんな所?
シルバートンは、1880年代初頭から鉱業の町として栄えるようになりました。
ピーク時には3000人もの人が暮す町でしたが、より規模の大きい鉱山産業がブロークンヒルで稼働しはじめてからはニューサウスウェールズ州の政策もあり、1899年に人々はシルバートンを離れて行きます。
多くの建物はロバやラクダに引かれブロークンヒルへ移動しましたが、その時残された建物等を今でも見ることができます。
現在の人口は50人を満たしておらず、鉱業関係の観光やアートギャラリー、映画やコマーシャル等の撮影コーディネイトなどで生計をたてているのだそうです。
世界中からファンが訪れる人気スポット
シルバートンの人気観光スポットの一つが、マッドマックスミュージアムです。
マッドマックス2でブーメランを操るワイルドな子役を覚えている方も多いかと思います。
今回の冒険に同行した友人が、成長したその子役とパパ友で、シルバートン(Silverton)にあるマッドマックスミュージアムに写真が沢山残っていると聞きつけ、面白がって見に行きました。
いたいた、野生児役のエミル・ミンティ(Emil Minty)。
個人的にこの映画はバイオレンス過ぎて得意ではなかったものの、30年経ってもこの少年やアウトバックの景色は深く印象に残っています。
このミュージアムには、マッドマックスが好き過ぎて取り憑かれ、シルバートンに移住してしまったイギリス人のAdrian Bennett氏が、個人的に収集したものを展示してあります。
レプリカもありますが、撮影で実際に使用したものも展示されています。
当時の映画撮影現場の生写真も多数あり興味深かったです。
TシャツなどのMADMAXグッズもいろいろ販売されています。
10amから4pmまで毎日オープン。Adrian氏もいらっしゃいましたよ。
1981年に公開された映画ですが、未だにファンが集まるそうで、この日もハーレーダビッドソンで「いかにもって」いう感じのバイク乗り達が来ていてちょっと嬉しくなりました。
荒野の人気パブの常連はなんと〇〇だった!
アウトバックのパブとして幾度となく撮影現場になったというシルバートンホテル。
観音開きの入り口の木製ドアがいかにもです。
ラッキーなことに、この店に毎日訪れるという常連に会えてしまいました!
俳優とかじゃない。
ロバだ。
ちゃんと入り口にならんでドアが開くのを大人しく待っているのですよ、かわいい。
店の人がくれる餌を期待してやって来るのだそう。
どこから来るのか、野生なのか飼われているのか、知っている人は誰もいませんでした。
昔、シルバートンの建物をブロークンヒルに運ぶ仕事をしていたロバたちの子孫なんだろうなあ。
乾いた大地で、たくましく命をつないでいるのだね。
冷たいビールが飲みたくなったら迷わずここへ!
ぜひこのパブ、シルバートンホテルで一杯ひっかけていってくださいな。
オーストラリアは、運転する場合でも1時間につきビール一杯なら飲酒運転が認められている変な国です。(営業車と初心者ドライバーはダメ。飲んだら1時間は運転しないように!)
でもハエいっぱいだからね。
外テーブルでの飲食は最高だけど、ハエを払うのが忙しくてちょっと落ち着かない^^
でもこれもアウトバックならでは!
ちなみにこのパブには宿泊施設もあります。
ここから星空を見たら最高だっただろうなあ。
- 住所:14 Layard St, Silverton NSW 2880
- 営業:月〜土 5am〜12pm(朝5時から!オーストラリアっぽい)、日曜10am~10pm、クリスマスは休業
シルバートンホテルのオフィシャルHPはこちら(英語)ホテルの予約もできます。
シルバートンへの行き方
ブロークンヒルから北西におよそ24キロ、車で30分ほどで行かれる距離です。
ブロークンヒル市内を通るBrookfield Avenueを北に向かうと、その道がHorsington Driveに入ります。
そのまま道なりに進めばシルバートンです。
この道周辺も赤いアウトバックの荒野がひろがり、映画で見たままの背景を満喫できます。
ブロークンヒルからシルバートンの見どころを巡るデイツアーも催行されています。
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ブロークンヒル郊外の密かな撮影スポットのメニンディー湖へ行ってみた
ブロークンヒルから南東110キロの位置に、メニンディー(Menindee)という小さな町に不思議な景色の湖があります。
知る人ぞ知る、密かな人気撮影スポットです。
立ち枯れたリバーレッドガムツリーという木がたくさん湖面に残されており、生と死が表現できるようなランドスケープが撮影できるからです。
水面に映る空と木のリフレクションとか、立ち枯れた木のシルエットと天の川とか。
考えただけでもイメージがふくらんでワクワクしてきます。
この地は洪水と干ばつが繰り返される厳しい土地。
水が無くなった時に生命力豊かなガムツリーが生え成長します。
大水が発生すると木の根元まで水かさが増えます。
マングローブなどと違い、ガムツリーは水中では酸素が足りず18ヶ月ほどしか生きることができず死んでいきます。
このサイクルがあるため、立ち枯れた無数の木が湖面に残っているのだそうです。
水の色はミルクグリーンカラー。
湖の水は溜まったものなので流れの動きが少なく、バクテリアなどがこの色を作り出すのだろうと地元の方がおっしゃっていました。
が、イメージしていた景色は全滅でした。泣
過去数年干ばつが続き、昨年2018年半ばから一番大きいメニンディー湖はほぼ干上がっている状態。
私が目的としていた水と枯れ木が残るパママルー湖(Lake Pamamaroo)も干ばつが進み、何キロも歩かないと水辺には行かれない状態になっていました。
こんなに干ばつが進んでいるとは。
急遽、テーマを「デスレイク・死の湖」に変更だ!
早朝のパママルー湖へ。
その日の朝焼けは今までに見たことのないような色が燃えていていました。
カメラを三脚にセットするのですが、何が大変かって、ハエの襲撃ですよ。
少しでも水辺に近づこうと1キロほど歩きましたが全くたどり着かず断念。
立ち枯れた木の林の中で、朝焼けの名残とちょっと不気味な雲を合わせて撮影することが出来ました。
新しいテーマに合ったいい感じのおどろおどろしさが撮れてちょっと嬉しい。
この間、鼻の中に飛び込んできたハエ3匹。
鼻かんでるんだか撮影してるんだか分からなくなってきたので、車にもどることにしました。
地面に置いておいたカメラバックを掴もうとしたら、全面ハエなことになっていて、5秒ほど固まる。
もどる途中、以前湖に流れ込んでいた川の干上がった姿がありました。
大きなひび割れが自然の容赦ない威力を感じさせます。
粘土質でまだ乾ききっていなかったので、沈まないようそっと乗り、三脚をセット。
ハエをはらう度に沈んでいく気がする。
危ない危ない。
乾ききった安全な場所まで戻ってみると、あちこちに大きな貝殻が散乱しているのに気づきました。
この場所が湖だった事を唯一教えてくれる物でした。
本当に湖だったんだなあ。
自然の威力は計り知れないなあ。
いつか水が戻ってきたら必ずリベンジしようと心に決めたのでした。
ハエをはらいながら。
メニンディー湖があるキンチェガ・ナショナルパークの現状
メニンディー湖はキンチェガナショナルパーク(Kinchega National Park)で一番大きい湖でした。
ここには他にもいくつか湖はありますが、ほとんど干上がった状態です。
以前はそばを流れるダーリングリバーでのクルーズや釣りの人気スポットでもあり、多くの種類の野鳥が集まる場所だったそうですが、今ではその姿はありません。
唯一会えた生き物はMajor Mitchell's Cockatooというオウムの集団でした。
他の生き物は水を探してどこかへ移動していったのでしょう。
ここは97年続いた羊毛生産業で栄えた歴史もあります。
6百万頭の羊を放牧していたというから驚きです。
一見、何も変化のないように見えるアウトバックですが、地球の環境変化をまともに受け劇的に姿を変えているのでした。
メニンディー湖への行き方
ブロークンヒルから南東に進むMenindee Roadをひたすら110キロすすむとメニンディーです。
インスタ上で、30年前にメニンディーへバイク(!)で行かれたという尊敬に値する方とお話しする機会がありました。
当時、ここは舗装されていないダート道だったと伺っていたので覚悟していましたが、今では舗装がされていて、ほっ。
夜間、このMenindee Roadはカンガルーが特に多い場所なので運転には注意を!
アウトバックでの運転は過信禁物です。注意事項についてはこちらをご参照ください。
メニンディーでおすすめのキャラバンパーク
オーストラリア人の休日の過ごし方の王道の一つがキャラバンパークでのキャンプ。
家が一軒そのまま移動しているのではないかと思うほどの立派なキャンピングカーで訪れ、BBQをしながら休日をゆっくり過ごしています。
リタイアしてキャラバンカーで長旅をしているというご夫婦も多いです。
キャラバンパークは、施設が整っていたり電源があるような場所だと、車一台分の料金が一泊数十ドル。
トイレだけあるみたいなところは無料で使用できます。
オーストラリアは乾燥した国なので、アウトドアがすごしやすい国なんですね。
気温が30度超えても、日陰は爽やか!
日本の夏は日陰にいても汗でベトベトしますものね。
日本でキャラバンな旅ってどうなんだろう。
個人的には美味しい夕食と朝ごはんが出る旅館に泊まりたいなあ。
温泉あれば尚良し^^
メニンディー周辺で電源使用可能なサイトがあるのはCopi Hollow Caravan Parkのみでした。
砂漠のオアシスと呼ばれている人工のCopi Hollow湖に面したキャラバンパークで、景色も良くとても快適でした。
管理人が常駐しており何かと安心です。電源使用可能なテントサイト、シャワー、トイレ、キッチン(電子レンジ有)有り。
それから、朝はカンガルーの訪問がもれなく付いてきます。
ここはボートクラブが経営しているので、クルーズや水上スキーなども体験できます。
携帯は電話の場合Telstraのみ使用可能(かなり不安定)。
ネットにはつながりません。
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まとめ
前半に引き続き、全走行距離3000キロのアウトバック冒険旅行の後半を紹介しました。
地平線まで伸びるまっすぐな道、360度見渡してもどこにも誰もいない広大さを満喫したあとにくる孤独感。
人間なんて本当にちっぽけで無力だとつくづく思うのでした。
- シルバートンの成り立ちや見どころ
- 未だにファンが集まるマッドマックスミュージアム
- 荒野のパブを毎日訪れる珍客
- おすすめのキャラバンパーク
- 干上がったメニンディー湖、「デスレイク・死の湖」撮影秘話
オーストラリアは、やっぱりとてつもなくデカかった!
最後までお読み下さり、ありがとうございました。