写真と旅をこよなく愛するフォトラベラーYoriです。
今回は、写真好きにはたまらない可愛い野生ペンギンの楽園「フォークランド諸島旅行記」の後編。
あともう少しで南極という場所に浮かぶこの諸島には、5種類の野生ペンギン(イワトビ、マゼラン、キング、マカロニ、そしてジェンツーペンギン)の他、チャールズ・ダーウィンたちに「空飛ぶ悪魔」と呼ばれたカラカラなど多くの生き物たちが生息する夢のような秘境島です。
フォークランド諸島は778の島から成り立っていますが、その中の4島(東フォークランド島、ペブル島、サンダーズ島、シーライオン島)を冒険してきました。
地球にはこんなに美しく楽しく、時間の流れ方が全く違う場所があるのだと改めて感動。
今回の願いは「地球が宇宙の一部なのだと感じられるような写真 ”星空ペンギン” を撮らせてください神様!」
果たして結果はいかに。
可愛すぎる野生ペンギンたちの写真大盛りで紹介します!
*「フォークランド諸島旅行記・前編」では、18世紀半ばにこの島のペンギンが絶滅寸前になってしまった悲しい歴史や、1982年に勃発したフォークランド紛争の真の勝利者はペンギンだった?!という内容でご紹介しています。合わせてご覧ください。
Contents
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可愛い野生ペンギンの楽園・フォークランド諸島4つの島を巡ってみた!
今回も、日本が誇る自然写真家・高砂淳二さんを含め5人の写真仲間と冒険をしてきました。
夕方、撮影を終わらせる頃になると、全員なぜか声が枯れているのです。
共通する原因は、ファインダー越しのペンギンたちを見ながら一日中「かわいい〜❤❤」を連発させていたこと^^
私以外は全員男子なのですが、高音で叫ぶ「かわいい〜❤❤」は皆止まらず、毎晩ハスキー声を絞り出しながら「がんば〜い!」と祝杯をあげておりました。
それほどにペンギンたちは可愛くて、お笑い芸人のように面白くて、そんな子たちがごっちゃり居るフォークランド諸島はまさに夢のようなペンギンの楽園なのでした。
ペブル島 Pebble Island
ペブル島は西フォークランド島北側の沖合に位置します。
スタンリーからセスナで45分ほどで到着。
最高峰のFirst Mountainでも277mという、非常に平らな島です。
ペブルという名前の由来
Pebble Island known for agate pebble and SAS ops #Falklands pic.twitter.com/t0eARx5Fqz
— Shannon Marshall (@DontLetYourTea) October 26, 2017
「ペブル」という名は、かつてビーチでたくさん見つかった色とりどりの可愛らしい模様の小石(pebble)にちなんで付けられました。
それらの多くはメノウで、溶岩からガスが抜ける時にできた空洞に蓄積して出来ます。
メノウは溶岩よりも硬く侵食に耐性がある鉱物です。
現在、島には溶岩は無いので、溶岩が侵食された後に残されたもの、または海底から打ち上げられたものだと考えられています。
過去に収集されすぎて、残念ながら現在では非常に珍しいものとなったそう。
こんな生き物たちに出会えます
42種類以上の野鳥が確認されており、BirdLife Internationalから重要野鳥生息地として指定されています。
出会える生き物は
- ジェンツーペンギン (Gentoo penguin)
- マゼランペンギン (Magellanic penguin)
- イワトビペンギン (Rockhopper penguin)
- マカロニペンギン (Macaroni penguin)
- 海鵜 (Imperial Shag) などなど
イワトビペンギンは、フォークランド諸島全体で20万匹以上生息しており、世界最大のコロニーですが、特にペブル島に多く生息しているそうです。
ちょうど羽が抜け変わる時期だったので、この子なんて毛糸のパンツ履いてマントかぶって髪飾りつけてコスプレなことに!
おまけにポケットに手を突っ込んで、ウインクしてキッスして、気取ったアニキ風。
まん丸だけどね^^
またこの島には数千羽の「海鵜」も生息しており、大きなコロニーがありました。
巨大な鵜のコロニーに紛れてしまった一羽のマゼランペンギンが右往左往していて、一瞬目が合い、この子に「どしよ、たすけて」と訴えられているような気分になりました。
が、海鵜が大量すぎて入れない。。
サンダース島 Saunders Island
サンダース島はフォークランド諸島で2番目に大きい離島。
西フォークランド島北側の沖合に位置し、スタンリーから145km、セスナで1時間程の場所にあります。
島の名前は18世紀の英国海軍大将 Sir Charles Saundersにちなんで名付けられ、1765年にフォークランド諸島で最初のイギリス人入植地となりました。
1987年よりポール・エバンス家(Pole-Evans family) がこの島を所有しており、牧羊および羊毛生産を営んでいらっしゃいます。
人口5人!羊6000頭!
デイビッド&スーザンさんにお世話になり、彼らの居住地の一部にあるThe Main Houseに宿泊しました。
上はYouTubeに投稿されていたスーザンさんのインタビュー動画です。(英語)
注)サンダース島は9月15日から観光客に開放され、4月30日以降は閉鎖されます。
ザ・ネック The Neck
一番の見所は、島の「首」ザ・ネック。
サンダースで一番標高の高いリチャード山(457m)と、2番目に高いハーストン山(433m)を繋ぐトンボロ(陸繋砂州)状のダイナミックな地形が広がっています。
こんな生き物たちに出会えます
ここで出会える生き物たちは
- ジェンツーペンギン
- マゼランペンギン
- イワトビペンギン
- マカロニペンギン
- オウサマペンギン (King penguin)
- マユグロアホウドリ (Black-browed Albartoss)
- メンフクロウ (Barn owl)
- カラカラ (Caracara) などなど
ペンギンたち
マユグロアホウドリ
非常に楽しかったのは、マユグロアホウドリ(Black-Browed Albatross) のコロニー。
フォークランド諸島には世界全体の約70%のマユグロアホウドリが生息していますが、ここは諸島に12あるコロニーのうちの一つで、リチャード山の北側の岸壁にあります。
ザ・ネックから山肌に沿って歩いて行くことが出来ます。
眉が黒いというより、長い睫毛とアイシャドーでメイクアップしているような、なんとも美人なアホウドリです。
また、フワフワモフモフのヒナが狂おしい程かわいい!
台座のような形の巣にちょこんと座って、餌を取りに行っている親鳥の帰りを待っているのです。
ヒナだけでなく親鳥たちも全く人を恐れません。
私の目の前をトコトコ普通に歩いて行きます。
上部に窪みのある50cm程の台座のような巣は、泥、海鳥のふんの堆積物、草や海藻を混ぜて作られたもので、親鳥たちは毎年この島に戻ってきて同じ巣を使うそう。
英語ではアルバトロスとかっこいい響きのアホウドリですが、
なぜ日本では「阿呆」だなんてつけられてしまったのか。
前述したようにアホウドリは人間に対する警戒心が非常に薄い。
簡単に捕えることのできるおバカさんな鳥だから「阿呆鳥」ということのようです。
それゆえ世界中で乱獲され個体数が減り、国際自然保護連合(IUCN)で絶滅危惧ⅠB類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に分類されています。
メンフクロウ (Barn owl)
ハート型の顔がたまらなく可愛いメンフクロウ。
日本ではお面のような顔から「面梟」と名付けられましたが、英語では「Barn owl」納屋のフクロウと呼ばれています。
この子も家畜の厩舎の梁に、まるで守り神のように静かに止まっていました。
多くの鳥の足は、前向きの爪3本、後ろ向きの爪1本が多いのですが、フクロウの足は前と後ろ2本ずつになっています。
掴んだ獲物をしっかりつかむ事を優先して進化した為です。
カラカラ
チャールズ・ダーウィンらに「空飛ぶ悪魔」と呼ばれた、世界最南端に生息する珍しい猛禽類「カラカラ Caracara」にも出会えました。
カッコイイけど、とんでもなくイタズラ好き。
詳しくはこちらから!
フォークランド諸島旅行記・番外編 悪魔と呼ばれた野鳥カラカラに遭遇! 世界最南端に生息する謎の猛禽類。 |
シーライオン島 Sea Lion Island
本島(東フォークランド島)から南へ17kmの沖合に位置する、フォークランド諸島最南端の島で、スタンリーからセスナで40分程の場所にあります。
この島は農業が導入されておらず、牧羊も1980年代に終了しています。
その為、外来種がおらず在来種本来の姿を観察することのできる貴重な島で、国立自然保護区に指定されています。
また、ラムサール条約の条約湿地として、更にBirdLife Internationalの重要野鳥生息地としても登録・指定されています。
- ラムサール条約:水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する、湿地保存の国際条約。
フォークランド諸島のゾウアザラシの最も重要な繁殖地としても注目されています。
こんな生き物たちに出会えます
ここで出会える生き物たちは
- ジェンツーペンギン
- マゼランペンギン
- イワトビペンギン
- 海鵜 (Imperial Shag)
- カラカラ
- アザラシ
- オルカ
- ミナミゾウアザラシ などなど
夕方になると、食事を終えたペンギンたちが続々と帰ってきます。
ミナミゾウアザラシ (Southern elephant seal) はデカかった!
シーライオン島には、フォークランド諸島のミナミゾウアザラシの95%が生息しています。
体長4.5 m、体重3.5トンにもなり、ビーチにはそのドーンとした巨体がゴロゴロいるのでそれはもう圧巻!
水中ではスイスイなのでしょうが、陸上だととにかく動きづらそう。
ゾウアザラシは体のわりに手が小さいので巨体を支え切れないので、オットセイのように手で体を持ち上げて移動することはしません。
移動するときは腹這いの状態のまま体を弾ませ(重くてそんなに弾まないけど^^)、ヨイショヨイショと少しずつずらしながら進んでいました。
キタゾウアザラシの鼻はゾウのようですが、ミナミゾウアザラシには長い鼻はありません。
でも体はゾウ並に巨体!
憧れの「星空ペンギン写真」はいかに?
今回の目標「地球が宇宙の一部なのだと感じられるような写真 ”星空ペンギン” を撮らせてください神様!」と祈る毎日でした。
シーライオン島のホテルの目の前にはペンギンのコロニーがあり、夜でも歩いて海に出られる距離なので、ここで挑戦。
第一弾は、夜10:30pm頃。天の川とペンギン
第二弾は、午前4am頃。月明かりを利用して、星空の下に集まるペンギンを撮影。
東フォークランド島(スタンリー、ボランティアポイント)
Stanley, Volunteer Point
スタンリーを出発して、ペブル島、サンダース島、シーライオン島と移動し、スタンリーのある東フォークランド島に戻ってきました。
冒険の締めくくりは、オウサマペンギンのコロニーで有名な「ボランティアポイント」という真っ白い砂浜が3km続く美しいビーチです!
スタンリーからおよそ70km、ラフな道が続くので2時間近くかかったと記憶しています。
ここは個人所有の自然保護区ですが、BirdLife international の重要野鳥生息地に指定されています。
こんな生き物たちに出会えます
- オウサマペンギン
- ジェンツーペンギン
- マゼランペンギン
- アシカ などなど
オウサマペンギン(King penguin)
ボランティアポイントにはフォークランド諸島内で最大のオウサマペンギンのコロニーがあります。
2020年の調査では繁殖可能な2000ペアのオウサマペンギンが確認されました。
ここは生息地として北限の位置にあたります。
オウサマペンギンはコウテイペンギンに次いで2番目に大きいペンギンです。
南極探査が始まる前までは、このオウサマペンギン(85~95cm)が最大だったので「王」の冠をもらえたわけですが、その後南極でもっと大きなペンギン(100~130cm)が発見され、そちらに「皇帝」が当てられたそう。
オウサマ、ちょっと残念。
ジェンツーはクチバシと足がオレンジ色で、クリっとした愛嬌のある目で、いつもペタペタと走り回っていて、元気いっぱいの子供みたいだけど、オウサマペンギンは王様らしくクールで貫禄あるのよね。
でもやっぱりペンギン。
笑いを誘うシーンが盛り沢山でした。
オウサマペンギンは円で構成されていたのだ^^
この日は大変な強風でビーチの白い砂が舞い、ペンギンたちも幻想的な姿に。
ボランティアポイントならではの光景です。
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フォークランド諸島のペンギン王国に行ってみたい!信頼と実績の旅行会社はここ!
フォークランド諸島の撮影旅行も、日本を代表する自然写真家の高砂淳二さんとご一緒させて頂きました。
南米地域を旅するときは、信頼と実績の頼れる「オンリーワントラベル」さんにいつもお願いしています。
雷多発世界一でギネス記録認定のベネズエラ・カタトゥンボの冒険の時も頑張って頂きました!
ウユニ塩湖もお得意で、日本大手旅行会社も現地ガイドをオンリーワンに委託しているほど、任せて安心な旅行会社です。
臨機応変な対応と細やかな心遣いにはいつも感激しています。
こんな旅をしたいという相談にも親身になって応じてくれます。
もしフォークランドや南米地域の旅をお考えでしたら、自信を持っておすすめします!
オンリーワントラベル(代表 山田陽介氏)
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まとめ
フォークランド諸島、可愛い可愛い野生ペンギンの楽園をご紹介してきました。
動物園では見ることのできないペンギンたちの表情や行動をご覧いただけたかと思います。
フォークランド諸島は南極クルーズでも寄港する島です。
日本からは気軽に行かれない場所にありますが、ペンギン好きなら夢の楽園に上陸する機会があるといいですね。
<前編> |ペンギンと紛争と地雷の意外な関係&写真で綴る観光情報 |
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<番外編> 悪魔と呼ばれた野鳥カラカラに遭遇!世界最南端に生息する謎の猛禽類 |
こちらも合わせてご覧ください!
最後までお読みくださりありがとうございました。
Source: "Flakland Islands Visitors Guide An Island Paradise where the wild life comes to you." Falkland Islands Tourist Board and Falkland Conservation (brochure) & Official website, Falkland conservation, BirdLife international, Natgeo kids