こんにちは。
写真と旅をこよなく愛するフォトラベラー Yori です。
「地球と一体になった感覚」を知りたいと思ったことはありませんか?
カッコつけた言い方になってしまいましたが、どうしてもこの表現が一番しっくりくるのです。
クジラと泳ぐ。
地球全体をつなぐ水という媒体の中で、同じ波動を共有している感じ、というのでしょうか。
水中で息のできない私たちにとって、ある意味そこは密封された空間です。
だから余計に共有している感覚が強くなるのでしょう。
また、クジラが水中で歌い出すと、そのバイブレーションが自分の60兆個全ての細胞にまで届き共振するのです。
もう夢心地。
夢のような体験ですが、でもそれは自分が「その夢、叶えるぞ」と決めさえすれば、必ず叶う夢なのでした。
正しい場所に正しい時期に行けば、会えます。
お金や休暇を貯めたり、準備に時間がかかるかもしれません。
でも必ず叶います。
今回は、そんな夢を叶えてくれるポリネシアのトンガ王国はババウ島でのザトウクジラ・ホエールスイムを紹介します。
2004年からトンガでのザトウクジラ・スイムを開催されている水中写真家・越智隆治さんのツアーに参加しました。
そして、この旅に声をかけてくださったのは日本を代表する自然写真家の高砂淳二さん。
私が長年深く尊敬し憧れて続けている写真家さんです。
巨匠お二人が乗り込むボートにご一緒できるだけでも幸せですが、強運を呼び込んで下さること間違いなし!
期待が高まります。
*高砂淳二さんと越智隆治さんの素晴らしいギャラリーやHPのリンクを「まとめ」に記載しました。
Contents
スポンサーリンク
トンガ王国ババウ島ホエールスイムではどんなクジラに会えるの?
トンガで会えるクジラはザトウクジラです。
学名はMegaptera novaeangliae。Wiktionary (英語版)によると、古代ギリシア語で “Mega” は大きい、 “pteron” は翼を意味しており、この学名はザトウクジラの特徴である長く大きな胸ビレから名付けられたそうです。
大きな翼を持つクジラ。
体長の3分の1、およそ5メートルもの長さのある胸ビレで、海の中を羽ばたいているのです。
雄大な姿、その体長は13~15メートル、体重30~40トンにも及びます。
彼らはトンガの海でどんな姿を見せてくれるのでしょう。
ブリーチング(大きなジャンプ)
ホエールスイム、ホエールウォッチングで人気なのが、迫力満点のブリーチング。
クジラが水面から豪快にジャンプする行動です。
空中に現れたクジラの大きさ、着水した時の水しぶきや音の大きさは想像以上。
このクジラ・エンターテインメントは圧巻です!
親子クジラ
ドルフィン・スイムは、好奇心が旺盛なゴムボールと戯れるような楽しさがありましたが、親子クジラは全く異なり、ただただ至福の平和感に包まれました。
写真の子は生後1ヶ月位だそうです
赤ちゃんと言っても、出産時の体長は4.5~5メートル。
大人のバンドウイルカと変わらない大きさです。
子クジラの息継ぎの間隔は短いので、母は水中でじっと子供が戻るのを待っています。
子供は自分で水面に上がり呼吸をし、また母の傍に戻ります。
やんちゃな子は、人間と遊ぼうと近づいてきたりします。
母クジラは、水中で貫禄さを漂わせながら静かに動かず、子クジラを見守っていました。
そして優雅にゆっくりと移動していきました。
ヒートラン(争奪戦)
ヒートランとは、繁殖のために複数のオスが一頭のメスを追いかける行動です。
ババウ島では数十頭という大規模なヒートランに遭遇する機会もあるそうです。
クジラたちは早いスピードで移動しています。
船長がそのクジラたちの前へ先回りするよう船を動かしてくれるので、そこで素早くエントリーします。
タイミングが合えば、クジラたちが突進してきて通過して行くド迫力のシーンが360度で体感できます。
クジラは生き物ですし、決まったコースがあるわけではないので、方向が変わったり位置が予想とずれる事が多々あります。
そうなると、こちらも全力ダッシュでクジラに向かって泳ぎます。
親子クジラシーンとは打って変わって、激しくスピーディなホエールスイムでした。
越智さんのブログによると、ヒートラン中のオスは「バブルカーテン」を作って他のオスの進行を阻止したり、アタックしたり、興味深い行動をするそうのだそうです。
次回はそんなシーンにも遭遇してみたいです。
ブロー(潮吹き)
息継ぎをする時に見られるのが、いわゆる「潮吹き・ブロー」です。
潮は5メートルくらい吹き上がります。
数回の呼吸の後、また海の中に潜っていきました。
一度潜ると、大人のクジラの場合5分~15分、長い時には30分も水中にいるそうです。
哺乳類という事を忘れてしまいそうです。
ペダンクル アーチ(猫背で潜る)
ザトウクジラのことを英語でHumpback whaleと言います。
Humpとは「こぶ」という意味の名詞なので、てっきりクジラの体についているこぶのような物が由来なのかと思っていたら、「(背中を)丸くする」という動詞の方でした。
ペダンクルアーチは、ザトウクジラがアーチ型に背中を丸め潜水を始める時に見ることができる行動パターンで、背びれが水面上に現れます。
彼ら特有の潜水方だそうです。
この時も、この親子は数回呼吸をし、2頭揃って背びれを見せてくれた後、水中へ潜って行きました。
それにしても背びれちっちゃい!
フルーク アップ(尾ビレを魅せる)
息継ぎが終わり、深く潜る時に尾ビレが水面に現れることを言います。
尾ビレの裏側の模様は各個体で違うので、個体識別に使われるそうです。
この模様を見せるのをフルークアップ、見せない時をフルークダウンと呼びます。
以前、初めてホエール・ウォッチングをした時、この尾ビレのアクションが魅力的で、ボート中から歓声が上がっていました。
今回は一緒に泳ぐのが目的です。
一度潜ってしまうとしばらく出てこないので、フルーク アップが見えると「あ~、潜っちゃう~」とちょっと残念な気分になりました。
でも、もちろんクジラの尾ビレのアクションはいつでもワクワクさせてくれます。
ペック スラップ(胸ビレで水面を叩く)
大きな胸ビレで水面を叩く行動です。
日差しでキラキラ光る水面を仰向けになって、ぱた~んぱた~んと気持ち良さそうに何度も繰り返していました。
何の為の行動かはわかっていないそうですが、私たちに手を振ってくれているようにも見えてしまいます。
シンガー(歌うクジラ)
ザトウクジラとシロナガスクジラは、40~5000Hzの多様な周波数を重ねた旋律を繰り返し発する「歌を歌う」ことで有名です。
歌うクジラをシンガーと呼びます。
雄のザトウクジラは暖かい海域で交配期に限って歌うので、求愛ではないかと言われている行動です。
シンガーの歌はボートの上からでも高音は聞こえました。
ですが、水中に入ってみると、その様々な周波数のバイブレーション全てが自分の体と共振するのです!
少し潜ってクジラに近づくと、低音が自分のお腹のあたりで響きだします。
それこそ、クジラと一体になった感じ。
全くの異次元で、なんだか宇宙に漂った感さえあります。
自分が地球の一部だと実感する感動的な体験でした。
大きな翼を持つクジラと、水中で一緒に羽ばたこう!
心の準備はできましたか?
スポンサーリンク
トンガ王国ホエールスイムのおすすめ時期はいつ?
ちょっとややこしいのですが、南半球の季節は日本と逆です。
そしてこのトンガは南半球に位置しています。
ここで会えるクジラは、南極圏に生息しているザトウクジラ。
南氷洋が冷たくなる7月頃から北上し、暖かい海で交尾、出産、子育てをします。多くのクジラたちが選んだのがトンガ海域です。
そして春が始まる11月頃に、餌が豊富になる夏の南極へ向けて6千キロの旅に出ます。
従って、冬季である7月から10月がベストシーズン。
より高い遭遇率を狙うなら8月~9月です。
特に親子クジラと会いたいなら、この時期は外せません。
トンガへホエールスイムに行くなら、「冬」の8月から9月が一番おすすめです!
ザトウクジラ遭遇率が一番高い島はどこ?
南極からの海流の一つがトンガを目指しているので、それに乗ってクジラたちが集まります。
世界広しと言えども、クジラを見るだけではなく、一緒に泳げる場所というとかなりかなり限られて来ます。
その一つがトンガなのです。
ホエールスイムは、トンガの本島であるトンガタプ島、ハアパイ島、エウア島からでもツアーが出ており、観光客が少ないのが強み。
トンガタプ島は本島ですから海外からのアクセスの良さが魅力です。
ババウ島は、クジラにとってより安心安全な場所なのか、集まるザトウクジラの個体数が断然多いそうです。
すなわち遭遇率もグンと上がります。
せっかく行くのなら、遭遇率の高さに期待したいですよね。
それならババウ島です。
トンガの人たちのクジラに対する向き合い方も、クジラが集まる要因かもしれません。
クジラと共存するため、トンガはホエールスイムにルールを作りました。
*クジラにつけるボートは一隻のみ。
*他のボートは数百メートル離れて待機。
*親子クジラと泳げる時間は、一隻で約1時間半。
*クジラにストレスを与えないよう、一頭につき水中アプローチできるのは1グループだけ。
*最大4人+ガイドの5人が1グループ。
ですので、ほとんどのボートは2グループ8人ほどのお客さんとガイドを乗せています。
ババウ島では、年間21隻のボートだけがホエールスイムを許されているとのこと。
クジラを大切にするババウの人たちの優しさを、クジラたちも知っているのかもしれません。
遭遇率ナンバーワンはババウ島!
参加人数が限られているので早めの予約が必須です。
ちなみに本島のトンガタプ島から275キロ離れています。
ホエールスイム時に知っておくべきポイント
ダイビングではなく、シュノーケリングです。
*ボートからのエントリーは静かに
ダイビングのように大きな音を立ててエントリーすると、クジラを驚かす原因になります。静かにね!
*ガイドの指示に従うこと。
*ガイドの前に出ないようにすること。
*アプローチも静かに、できれば「横泳ぎ」。
特に親子クジラの近くへ泳いで行くときは、ストレスを与えないようなるべく静かに。
フィンを水面でバシャバシャさせると、クジラが嫌がり動いていってしまうかもしれません。
水中でフィンをかく横泳ぎを勧められました。
スポンサーリンク
トンガ王国ホエールスイムのおすすめツアー/オペレーターは?
トンガ王国観光局は、環境保全のトレーニングを受けた船長とガイド、ライセンスを持っているオペレーターの利用を推奨しています。
各ボートはお互い連絡を取り合ってゲストに最高の体験をさせてくれるよう努力してくれています。
トンガ王国観光局のオフィシャルページでは、ライセンスを持っている全オペレーターを詳しく紹介しています。
リンクがあるので、ここから直接オペレーターに予約も入れられます。
- ババウ島 16社
- トンガタプ島(トンガ本島)4社
- ハアパイ島 4社
- エウア島 2社
(2019年4月現在)
今回私は、2004年からトンガ・ババウ島でのザトウクジラ・スイムを開催されている経験豊富な水中写真家・越智隆治さんのツアーに参加しました。
長い年月ババウに通い、ローカルの方とも特別な関係を築かれており、信頼できる現地オペレーターを熟知されていらっしゃいます。
水中での遭遇率100%を持続しているという素晴らしさ。
乗るのは小型ですが大船に乗った気持ちで、越智さんに運を委ねました。
お知り合いのトンガ人のご家庭で、重要行事には欠かせないという伝統的な料理・豚の丸焼きなど現地料理を頂ける機会も作ってくださいました。
楽しく美味しく、そしてトンガの人や文化に触れる経験もできました。
日本語ツアーというのも安心感があります。
ババウ島のネット環境は?
*Wi-Fi は日本のルーターで使用可能。
*現地でSIMカードも購入可能ですが、品切れの可能性も大。
また、お店が開店している時間は船に乗っている事が多いことも考慮しておきましょう。
*ホテルによりますがインターネットが使用できます。
*電圧・240V、60Hz、プラグはO型
*日本円からの両替は本島・トンガタプの空港で可能です。米ドル、オーストラリアドル、ニュージランドドルも可能でした。
*ババウ島にATMがあり、クレジットカードで現金を引き出すことはできました。
トンガは敬虔なクリスチャンの国です。
基本的に、安息日である日曜日に働くことは法で禁じられているという国です。
なので、クジラツアーもお休みです。
スポンサーリンク
トンガ王国ホエールスイムに必要な持ち物は?
自分もそうでしたが、ホエールスイムに何が必要か、何が便利か気になる方も多いと思うのでまとめてみました。
ボートによって設備が違います。
日除け、風除け、ドライエリア、トイレなどがあったりなかったり。
どのボートに乗ることになっても大丈夫なように用意をされると良いと思います。
とにかく大海の真ん中にポツンとある小さな島々です。
基本、物が無い。
落胆しないためにも、現地調達は考えに入れない方がハッピーに過ごせると思います。
準備をしっかりしておけば、ホエールスイムに集中できる楽しい旅になるでしょう。
ホエールスイムに必要なものは、基本的には全て持参です。
やむを得ない場合は借りることもできますが、小さなダイビングショップだったりするので、数やサイズには限りがあります。
クジラの状況にもよりますが、長く水中で泳いだり、思いっきりダッシュで泳いだりすることもあるので、自分にフィットしたものを用意するのが一番だと思いました。
ウエットスーツ
水温があまり高くないのでウェットスーツはフルスーツが安心でした。
3ミリから5ミリ厚を勧められましたが、浮力がありすぎず動きやすい3ミリのものを持参しました。
浮力がありすぎると、クジラに近づくために深く潜ろうとした時にキツいかなと思ったわけです。
サーフィン用でもダイビング用でもどちらでも問題ありません。
クジラが気にならないよう、オレンジやピンクなど派手な色は避けた方が良いそうです。
ラッシュガード
ウエットスーツの下に着れば寒さ対策にもなるし、日が差して暑くなってくればラッシュガードと水着だけでも泳げます。
ウェットスーツの脱着も容易になるし、日焼け対策にもなるのでとても便利でした。
3点セット
シュノーケル
トップに弁が付いている浸水防止弁付きのドライシュノーケルを使いました。
マスク
視野が広い、サイドビュー付き一眼タイプを使いました。
だってクジラ大きいから視野をなるべく確保したいなと。
フィン
しっかりキック出来るよう、サイズが合っていることがとても大事です。
以前、擦れて痛い思いをしたことがあるのでフィン擦れ防止にフィンソックスも使用しました。
フィンは、硬いものは推進力あるが脚力が必要、柔らかいものは進みづらいなど、長さ・幅・素材などいろいろな角度からの選択肢があります。
ご自分の体力、脚力、経験値などから選ぶのも方法かと思います。
わたしは、自分の足と一体化した感のあるフルフットタイプのフィンを使いました。
靴のようにスポッと履くタイプです。
本当はこのフィンの場合ソックスはいらないそうですが、フィット感アップで痛くならないので併用しました。
フィンの素材は、推進力が欲しかったので硬いプラスチックを採用。
なので脚力が必要です。
本番で足がつった〜なんて事の無いよう、プールでトレーニングしました!
本番までに、全ての用具が自分の身体の一部になってる感まで持っていきたかったので、海水の50mプールでウエット着て3点セット装着して、本番仕様でトレーニングしてみた!(私の住んでいるシドニーのプールでは可能でした)
45分間泳ぎ続けるのを週一回、数ヶ月。
スクワットも続けてみた。
お陰で本番中でも足が吊ることは一度もなかったです!
しかも脂肪が減って筋肉増えたおまけ付き!
一緒に行く仲間は皆さん水中大ベテランの男性だから、みんなに着いていかれるよう必死だったのです。
それに脚力つけば、クジラに近づけるチャンスが増えるし。
でもこんな頑張らなくても、泳ぎをしたことがある人なら誰でも、子供でもホエールスイムはできます^^
ボートコートなど防寒できるアウター
常夏のイメージがありますが、トンガの8月は冬季で、平均最低気温は19度、平均最高気温は25度。平均水温は24度。
意外と温度は高くありません。
濡れた状態でボートで移動する際、風にあたりますので体温が下がってきます。
そうなると疲れも出やすくなるし、気分も盛り上がらない。
一旦海に出ると、6時間ボートの上です。
何か一つあると助かります。
ドライバッグ
私は陸上用のカメラや望遠レンズをボートに持ち込んだので、ドライバッグは必須アイテムでした。
ボートによってはドライエリアが無い場合もあります。
濡らしたく無い物を持ち込む方は持参すると良いと思います。
水着
当然ですが忘れないようにしましょう。
なぜかと言うと、現地の方は水着を着たりしないので、ババウ島の場合ほとんど店に売っていません。
見つかったとしても、サイズ問題があります。
トンガ人、男女ともにデカいです!
平均体重、男女ともに90キロ超え!
現地調達が意外と難しいのが水着です。
その他
タオルは何枚かあると何かと便利。
サングラス、日焼け止め、船酔い止め。
何があるかわからないので海外旅行保険には入っておきましょう。
まとめ
トンガ王国も日本と同様、鯨を捕獲して食料としていた国ですが、捕鯨反対国の圧力があり、1978年に捕鯨は完全に禁止されました。
以来、クジラとの共存を歩んでいます。農業、漁業と並び、ホエールスイムを含む観光は、大切な経済活動の一つとなっています。
トンガ王国の人々のクジラとの向き合い方のお陰で、私たちは夢のような体験ができるようになったのです。
今回はババウ島でのホエールスイムについてご紹介しました。
8月〜9月にババウ島に来れば、きっとザトウクジラと一緒に海の中で羽ばたけます!
冒頭で記した自然写真家の高砂淳二さんと、越智隆治さんのリンクを貼っておきます。
>>ニコン・オフィシャルHP・高砂淳二氏スペシャルコンテンツ ” THE PLANET”
最後までお読みくださり、ありがとうございました。